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吹奏楽コンクール自由曲人気ランキング〜クラシックアレンジ編

2022/03/10更新

吹奏楽コンクールの自由曲として根強い人気のクラシックアレンジ作品。なかでもよく演奏されている作品TOP10を発表します。コンクールでの演奏は時間制限の都合からカットされているものが多くありますが、全曲通して聞いたり楽曲のできた時代背景などを知ることでより深い演奏につなげてください。

オリジナル作品の人気ランキングや支部大会で人気だった作品やはこちらも参考に↓

目次

コンクール自由曲人気TOP10

バレエ組曲「青銅の騎士」より|レインゴリト・グリエール / 加養浩幸

ロシアの詩人プーシキンによって1832年に書かれた長編叙情詩「青銅の騎士」を原作に作られた全4幕13曲からなるバレエ音楽で、1949年に完成されました。「赤いけしの花」と並ぶ傑作バレエで、初演は1949年3月レニングラード(現在のサンクト・ペテルブルク)にて、キーロフ・バレエ団によって行われました。

物語の舞台は、ピョートル1世によって創られた人工都市サンクト・ペテルブルグ。ネヴァ河がバルト海に注ぐ河口の沼地を埋め立てて作られたこの街は「北のヴェニス」ともいわれる美しい水の都ですが、悪天候になる度に大洪水に襲われ大きな被害を受けていました。主人公のエフゲニーは、1824年の大洪水で最愛の恋人のパラーシャを失い、人生の夢と希望をも打ち砕かれ、ついには狂気の人となり、街の創始者として君臨する青銅の騎士像へ戦いを挑む・・・という物語です。

原曲は非常に大きな編成ですが、思い切って25名程度の人数で演奏できるよう工夫が凝らされています。小編成で「青銅の騎士」に挑戦したいというバンドにオススメのアレンジです。

歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より|ピエトロ・マスカーニ / 樽屋雅徳

シチリア島のある村での復活祭を舞台に、美しい女性ローラとその亭主アルフィオ、元恋人のトゥリッドゥとその妻サントゥッツァを巡る、悲しい恋が描かれたオペラです。珍しく1幕による構成で幕間はありませんが、物語半ばに“世界一美しい曲”とも評される有名な「間奏曲」が演奏されます。

舞台はシチリア島のある村。兵役帰りの若く貧しい男トゥリッドゥは、婚約者であったローラが彼の兵役中に馬車屋のアルフィオと結婚してしまったのを知り失意に打ちひしがれます。彼女を忘れるべく、村娘のサンタと婚約するも、結局忘れることができず、アルフィオの目を盗んでは逢引を重ねるようになってしまいます。秘密は長くは続かずサンタの知るところとなり、そのことをアルフィオに告げてしまう。アルフィオは激怒、復讐を決意し酒場でトゥリッドゥへ決闘を申し入れます。事の重大さに気づいたサンタは激しく後悔をするが時既に遅し・・・。「トゥリッドゥが殺された」という女の悲鳴が2度響き、村人の驚きの声と共に、幕を閉じる。

このアレンジでは「前奏曲」、第9景より「友人たちよ」「乾杯の歌」、第3 景より「天の女王様、お慶び下さい」「讃えて歌おう」が引用され、クラリネットとサクソフォンによる2重唱から始まります。美しい旋律とハーモニーを存分に堪能してください。

「マ・メール・ロワ」より、パゴダの女王レドロネット、妖精の園|モーリス・ラヴェル / 鈴木英史

童話「マザー・グース」を題材にして作曲したピアノ四手連弾の組曲で、第1曲 眠れる森の美女のパヴァーヌ、第2曲 親指小僧、第3曲 パゴダの女王レドロネッ、第4曲 美女と野獣の対話、第5曲 妖精の園の5曲からなる組曲です。

子供好きのラヴェルが、友人である夫妻の子であるミミとジャンのために1908年から1910年にかけて作曲され、この姉弟に献呈されました。初演は本来、ミミとジャンが弾くことが想定されていましたが、幼い姉弟が演奏するには少々難しかったようです。

そののち、小編成管弦楽に編曲した「管弦楽組曲版」、それにさらに新たな部分を付け加えた「バレエ音楽版」が作られ世界中で親しまれています。

このアレンジは管弦楽組曲版をベースにしていますが、ラヴェルが編成によって音も変え、異なった版を作ったように、管弦楽の音とは違うオーケストレーションがなされ、大編成でも小編成でもラヴェルのイメージに沿った演奏が出来る楽譜になっています。

「小組曲」より I.小舟にて、IV. バレエ|クロード・ドビュッシー / 加養浩幸

原曲は1888年から1889年にかけてピアノ4手連弾のための組曲として作曲されました。初演時の曲の評価は決して高いものではなかったそうですが、のちにドビュッシーの友人であるビュッセルにより管弦楽用の編曲がなされたことによって、評価されるところとなりました。

このアレンジは、1「小舟にて」4「バレエ」の2曲を取り上げ、管弦楽版からのイメージをベースに編曲してあります。かなりの小編成から大編成まで対応が可能ですが、バランスに注意を払って繊細な演奏を目指してください。

歌劇「イーゴリ公」より ポロヴェツ人の踊りと合唱(抜粋)|アレクサンドル・ボロディン / 石津谷治法

キエフ大公国の公(クニャージ)イーゴリ・スヴャトスラヴィチによる、遊牧民族ポロヴェツ人に対する遠征を描いた序幕付き全4幕のオペラです。

イーゴリ公は実在の人物で、この物語は2つの古代ロシア英雄叙事詩をもとに構成されました。1つは中世ロシアの叙事詩で、ポロヴェツ遠征と敗北、イーゴリの脱走と帰還、公子ヴラディーミル残留の史実が記述された「イーゴリ公遠征譚」。もう1つは、修道院古文書「イバテフスキー年代記」です。これらの史実から、ロシア5人組を支援していたヴラディーミル・ワシーリエウ・スターソフが原案を作り、ボロディンが台本化・作曲を行いました。

イーゴリ公が自分の土地であるルーシの街へのポロヴェツ人の侵攻を防ぐため、心配する人々の反対を押し切って遠征を始めるところから物語は始まります。
イーゴリ公の妻の弟で留守を任されたガーリチ公は、彼がいないことをいいことにこの街の支配者は自分であることを宣言し、ポロヴェツ軍の攻撃が差し迫っているという危機的状況にもかかわらずやりたい放題。一方、イーゴリ公と息子のウラジーミルはポロヴェツ人に捕らえられ捕虜となってしまいます。
ポロヴェツの統帥コンチャークはイーゴリ父子を無下にするどころか盛大にもてなします。コンチャークの娘とイーゴリ公の息子ウラジーミルが相思相愛であることを知っていたからです。そしてイーゴリに「再び戦いを行わないと約束をするならば自由を与える」と提案しますが、イーゴリが首を縦に振ることはありませんでした。
ポロヴェツ人の侵攻が続くなかルーシの街が攻撃されたことを知るイーゴリ。自国の危機を傍観することに耐えきれず、息子を残し敵陣を脱走します。
戦火で荒れ果てたルーシの街で、ひたすら夫を待ち続ける彼の妻のもとに、馬に乗ったイーゴリ公が戻ってきて、人々もイーゴリ公を讃え、幕を下ろします。

この編曲版は、「ポーロヴェツ人の踊りと合唱」「ポーロヴェツの娘たちの踊り」の組曲として再構成され、第65回(2017年)全日本吹奏楽コンクールにおいて習志野市立習志野高等学校吹奏楽部が自由曲として演奏し金賞を受賞しました。

歌劇「蝶々夫人」ハイライト|ジャコモ・プッチーニ / 金山徹

長崎を舞台とし、没落藩士令嬢の蝶々とアメリカ海軍士官ピンカートンとの恋愛の悲劇を描いた2幕もののオペラです。名アリア「ある晴れた日に」など豊かなメロディで彩られ、日本が舞台ということもあり、国内での上演機会の多い作品です。

舞台は1904年、明治時代の長崎。任務のため長崎に来た海軍士官ピンカートンは、15才の蝶々さんと期限付きの結婚をし子どもをもうける。
3年が過ぎたころ、アメリカへと帰っていくピンカートン。「コマドリが巣を作る頃には帰ってくる」と言い残したものの、すべては嘘であった。彼がアメリカ本国でアメリカ人女性と結婚したことも知らず、周囲の心配や説得をよそに一途な愛を誓い彼の帰りを待ち続ける蝶々さん。
遂に念願が叶い、望遠鏡でピンカートンの所属艦を見つけた蝶々さんは寝ずの番をしてピンカートンを待ち続ける。しかし期待は打ち破られ、ピンカートンの代わりに彼の妻が現れる。さらに子どもを養育するといい出すではないか。すべての感情を押し殺し礼儀正しく彼の妻との対面を済ませ、申し出に従って、子供を渡すことを約束する蝶々さん。
仏壇の前に座り、父の遺品の刀を取り出し喉に突き立てる。異変を聞きつけたピンカートンが戻ってくるがとき既に遅く、息絶える。

色彩的なオーケストレーションや美しいメロディが印象的な作品の中から、7曲を抜粋しました。フーガ形式の「序曲」から始まり、すぐにアメリカ国歌をモチーフにしたファンファーレから「広い世界を」「さあ一足を」「ご存じないの?」「ある晴れた日に」「この子をご覧に」「さらば愛の巣」が使用され、エンディングにはチャイムも加わって華やかに終わります。
小編成でも大編成でも響きが損なわれない工夫がされた名アレンジです。

バレエ音楽「三角帽子」より|マヌエル・デ・ファリャ / 石津谷治法

スペイン・アンダルシアの民話を元にした同題短編小説を元に、ロシア・バレエ団の創設者セルゲイ・ディアギレフからの依頼で作曲されたバレエ音楽で、1919年に初演されました。題名の〈三角帽子〉は、権威の象徴として代官が冠っている三つ角のある帽子のこと。

舞台は19世紀、アンダルシア地方のある町。小川のほとりにある粉屋の水車小屋に水汲みにきた少女を見た粉屋の夫がが浮気心を起こし、それを見つけた粉屋の女房はやきもちを妬く。その向こうからは悪代官が女房を見つめており、悪戯心を出した女房は情熱的なファンダンゴを踊ってみせる。女房にすっかり惚れてしまった代官は、たまらず姿を現し言い寄ろうとするが、粉屋に殴られて退散する。

その夜、お祭りのため街に繰り出し踊っていた粉屋に、代官が仕向けた警察が突然現れ、粉屋を無実の罪で連行してしまう。これで粉屋の女房を自分のものにできると代官は気を良くして踊るが、足を滑らせて小川へ転落、女房に助けられ粉屋のベッドに潜り込むも女房は知らん顔。そこに脱走した粉屋が戻って来て三角帽子を見つけ、代官の服と帽子を取って出ていく。着る服がない代官は仕方なく粉屋の服を着て外に出るが、警察に粉屋だと勘違いされ逃げていく。何の騒ぎかと集まってきた村人たちにも正体がばれてしまい、悪代官が懲らしめられたのを見て歓喜し、幕となる。

序奏、粉屋の女房の踊り、近所の人たちの踊り、粉屋の踊り、終幕の踊りの5曲が編曲されています。

「交響曲第2番」より 2、3、4楽章(抜粋) |セルゲイ・ラフマニノフ / 渡辺秀之

1906年10月から1907年4月にかけて作曲され、1908年1月に、ペテルブルクのマリインスキー劇場で、作曲者ラフマニノフ自身の指揮により初演された。作品は恩師のセルゲイ・タネーエフに献呈されました。

1987年に初演された「交響曲第1番」が失敗に終わり、精神的な痛手を負っていましたが、1900〜01年に作曲された「ピアノ協奏曲第2番」が成功を収め自信を回復、私生活では1902年に結婚し2児を授かるなど、公私ともに充実した日々を過ごしていた時の作品です。
3曲あるラフマニノフの交響曲のなかでももっとも人気が高く、なかでも第3楽章は特にロマンティックなメロディに溢れ、まるで一本の映画を観るような気持ちにさせてくれます。

この編曲は平野達也氏と私、渡辺秀之による共著作品です。令和元年(2019)、渡辺秀之指揮:宝塚市立中山五月台中学校吹奏楽部37名によって「第67回全日本吹奏楽コンクール」で初演されました。管楽器では技術的に難しい部分や音の配置、楽器の組み合わせなど推敲を重ね、クラシック音楽の素晴らしさを十分に実感いただける吹奏楽編曲に仕上がった作品です。

ルーマニア民俗舞曲|ベラ・バルトーク / 佐藤博

1915年に作曲した6曲からなるピアノの小品の組曲で、バルトークの親友でルーマニア人のイオン・ブシツィアに献呈されました。1917年、自身の手により小管弦楽に編曲され、今では小オーケストラのためのレパートリーとして定着しています。親しみやすい旋律と手ごろな長さという点でも人気が高く、さまざまな編成にアレンジされて演奏されており、アンサンブルコンテストでも人気の高い一曲です。

「舞踏組曲」より、I. II. V. 終曲|ベラ・バルトーク / 田川伸一郎

1923年の夏、ブダペスト市が同年の市成立50 周年記念音楽祭のために作曲された6曲からなる組曲です。祝祭向けということもあって、華やかな部分が多く、ハンガリー風の旋律以外にもルーマニア、アラブなどの民族的な色彩が随所に取り入れられています。しかし、主題は民謡ではなくすべてバルトークのオリジナルで、ハンガリーと周辺諸国民の連帯という意図を込めて作曲したのだと語られています。

県立船橋東高等学校吹奏楽部からの委嘱により、小編成部門の規定に合わせ「I. II. V. 終曲」をカットしながらつなぎ合わせた抜粋版です。大編成のような重厚な響きが出るように配慮しつつも、色彩感が乏しくならないように工夫されています。

人気急上昇中の注目作品

タンガーソ~ブエノスアイレス変奏曲|アストル・ピアソラ / 仲田守

アルゼンチンでは、何か素晴らしいものに出会うと、語尾に~zoを付けるそうで、例えばサッカーのゴールが決まると、golにzoを加え、Golazo!、いい曲を聴いたら、曲を意味するtemaにzoでTemazo!と叫ぶそうです。タイトルはスペイン語の遊びから来ていると思われ、Tangoにzoを加えたタンガーソは、無理やり日本語にするとすれば、「凄いタンゴ」といったところでしょうか。

曲は低弦による重苦しいレントの序奏から妖艶な変容がしばらく続き、いよいよアレグロに入るとタンゴらしくなりますが、ほかのバンドネオン作品とは異なった落ち着いた雰囲気が終始漂っています。後半の長いホルン独奏も大きな聴きどころのひとつ。

東京佼成W.O.のトランペット奏者安藤ガルシア真美子さんからの依頼により、仲田守氏により吹奏楽版に編曲されました。全体のニュアンスは原曲のオーケストラの音色のコピーではなく、管楽器アンサンブルとしての面白さを考えて演奏してください。

交響詩「英雄の生涯」より|リヒャルト・シュトラウス / 渚智佳

さいたま市立岸中学校吹奏楽部の委嘱により編曲したものをもとに、25人編成に再編したものです。原曲は4管編成の大規模なオーケストラ作品で演奏時間45分にも及ぶ大作ですが、ここでは原曲のエッセンスを損なうことなく抽出するよう、そのテーマ性と響きを尊重しながら、約7分半程に凝縮しました。

オペレッタ「白馬亭にて」 ハイライト|ラルフ・ベナツキー / 佐藤博

美しい湖が点在するオーストラリアのザルツカンマーグートにあるリゾートホテル『白馬亭』を舞台にしたオペレッタ『White Horse Inn(白馬亭にて)』は、1930年にベルリンで初演され4000回以上も上演された大ヒット作品。実際に白馬亭を訪れた佐藤先生が「面白可笑しい軽快なこのオペレッタを吹奏楽でも!」と考え編曲に至ったそうです。

ヴォルフガング湖の美しい景色や陽気な物語の状況を思い描けるハイライト版。コンクールでも演奏会でも映える作品です。

「スペイン奇想曲」より|ニコライ・リムスキー・コルサコフ / 石津谷治法

リムスキー=コルサコフが1887年に作曲した管弦楽作品で、初演は1887年作曲者自身の指揮、マリインスキー劇場管弦楽団によって演奏されました。原曲は5つの楽章から成り、各楽章に出てくる主題はリムスキー=コルサコフのオリジナルではなく、スペイン民謡が素材となったものです。

この編曲は第63回(2015年)全日本吹奏楽コンクールにおいて、習志野高等学校吹奏楽部が自由曲として演奏し金賞を受賞。以後、コンクールで取り上げられる機会の多い人気アレンジです。

「ダフニスとクロエ」第2組曲(全曲版)|モーリス・ラヴェル / 齋藤淳

ダフニスとクロエは、2~3世紀古代ギリシアのロンゴスによる同題の物語を題材にした、全3場が連続して上演されるバレエです。
ロシアの興行主セルゲイ・ディアギレフが率いるロシア・バレエ団により1912年にパリで初演され、バレエのレパートリーとして今なお上演されているほか、ラヴェルが作曲した管弦楽曲も傑作の一つとして高く評価され、オーケストラのみでも演奏されています。

物語は古代ギリシャのレスボス島を舞台とした、羊飼いダフニスと、可憐な少女クロエとの恋のお話し。

捨てられていた男の子ダフニスと,これも同じく捨子の女の子クロエが,それぞれ島の牧人に拾われて成長し,年ごろになるにつれて互いに愛しあうようになる。そこに海賊が現れダフニスは連れ去られそうになり,また戦争がおきて敵の船にクロエがさらわれ,二人の間に危機がおとずれる。ようやく救出されたクロエに今度は別の求婚者が現れたりしてさまざまな波乱がおこるが,最後には二人とも身分の良い家柄の生れであったことが判明し,めでたく結ばれる。。(世界大百科事典 第2版より)

2001年に埼玉県立与野高等学校吹奏楽部により第49回全日本吹奏楽コンクールにて演奏され、埼玉県立大宮高校、名取交響吹奏楽団などによる演奏を通じて改訂が続けられ、「パントマイム」を含む全曲版の完成となりました。

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