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吹奏楽で演奏したいクラシック音楽おすすめ7選〈大編成版〉

コンクールでもコンサートでも人気の高い、クラシック音楽の吹奏楽編曲作品をピックアップ。大編成吹奏楽で奏でるオーケストラ作品は原曲にせまる迫力があります。

名曲であり、難曲でもある大編成オーケストラ作品に、ぜひチャレンジしてみてください。

目次

「スペイン奇想曲」より|ニコライ・リムスキー・コルサコフ / 石津谷治法

スペイン奇想曲は、リムスキー・コルサコフが1887年に作曲した管弦楽作品です。原曲は五つの楽章からなり、各楽章で出てくる主題は、小刻みで軽やかなリズムと独特な律動を伴う舞曲が多いスペイン民謡が素材となっています。吹奏楽編成でも高い人気を誇り、演奏される機会も多い楽曲です。

この楽譜は、2015年全日本吹奏楽コンクールで習志野市立習志野高等学校が自由曲として演奏して金賞を受賞したことで注目を集めました。「アルボラーダ」「情景とジプシーの歌」「アストゥーリアのファンダンゴ」を抜粋。

「マ・メール・ロワ」より|モーリス・ラヴェル / 鈴木英史

「マ・メール・ロワ」とは「マザーグース」のこと。ラヴェルの「マ・メール・ロワ」には3つの版があり、この楽譜では、最初に作られたピアノ連弾版を小編成管弦楽に編曲した「管弦楽組曲版」を基本として編曲しています。

この楽譜ではpやppが多いですが、それを単なる音量の指標としてではなく「音質や音色」の指標として解釈することで、自然と全体の響きが乗ってきてラヴェルの世界観が表現しやすくなります。音作りが重要な曲なので、サウンド感に自信がある楽団におすすめです。

2010年全日本吹奏楽コンクールで玉川学園中学部吹奏楽部が金賞を受賞した楽譜です。

「幻想交響曲」より 5.サバトの夜の夢|エクトル・ベルリオーズ / 齋藤淳

「幻想交響曲」はベルリオーズの代表作で、史上初の標題音楽と言われています。第5楽章「サバトの夜の夢」は最終楽章です。恋に深く絶望して自殺を図った想像力豊かな芸術家。彼の死の淵に集まったのは、亡霊、魔法使いなど、さまざまな化け物たち。それは「サバト」と呼ばれる「魔女の集会」でした。彼の葬儀に響く奇妙な音、うめき声、あざ笑う声。そんな中、かつて愛した女性も魔女として現れ、魑魅魍魎たちによる歓喜のフィナーレを迎えます。

ストーリーはグロテスクな展開ですが、楽曲は明るさもありダイナミックで、とても聴きごたえがある編曲です。グレード5と高いですが、その分やりがいがあるのでぜひチャレンジを。

  • 作編曲: エクトル・ベルリオーズ / 齋藤淳
  • 演奏形態: 吹奏楽大編成(53人〜)
  • グレード: 5
  • 演奏時間: 9分30秒
  • 出版: フォスターミュージック(FML-0285)
  • 発売日: 2021/03/23

バレエ音楽「シバの女王ベルキス」より IV. 狂宴の踊り|オットリーノ・レスピーギ / 加養浩幸

原曲はバレエのために書かれた作品で、1931年の初演はミラノ・スカラ座で行われました。4部構成で1つの組曲として作曲されています。

この編曲では1~4楽章まで通しで演奏したときの演奏効果を鑑み、「ソロモンの夢」 「戦いの踊り」 「夜明けのベルキスの踊り」 「狂宴の踊り」と中程の2楽章の順番を入れ替えています。第4楽章「狂宴の踊り」は、結婚式を祝う場面で使われる曲で、コンクールでは第1楽章の「ソロモンの夢」と組み合わせて演奏されることの多い曲です。優雅で美しいアラビア風の旋律、どことなく切なさを感じる叙情的なハーモニー、後半に現れる壮大なファンファーレなど、聞かせどころ満載です。

大編成用のアレンジですが、工夫次第では小編成でも対応可能です。

※参考演奏は中編成版です

バレエ組曲「青銅の騎士」より|レインゴリト・グリエール / 石津谷治法

「青銅の騎士」は、旧ソ連の作曲家レインゴリト・グリエールが手がけたバレエ音楽です。元は1832年に作られた長編叙情詩がモチーフで、それをグリエールがバレエ音楽にアレンジしました。バレエ音楽にルーツを持つため、非常に上品な曲調が魅力です。

この編曲版は「青銅の騎士」全13曲から「元老院広場にて」「エフゲニーとパラーシャ」「踊りの情景」「偉大な都市に捧げる讃歌」の4曲を抜粋した楽譜で、吹奏楽での演奏が映える魅力的な楽曲となっています。

2009年全日本吹奏楽コンクールにて習志野市立習志野高等学校が演奏し金賞を受賞したこともあり、自由曲としての人気の高さから参考にできる演奏動画が多いのもポイントです。

交響詩「ローマの祭り」(全曲版)|オットリーノ・レスピーギ / 佐藤正人

「ローマの祭り」は、イタリアの作曲家オットリーノ・レスピーギが1928年に完成させた交響詩で、ローマ三部作の最後を飾る作品です。

この曲では時代ごとの祭りを表す4楽章(曲)が切れ目なく演奏されます。最初の「チルチェンセス」とは見世物のことであり、人が猛獣と戦い食い殺される残酷な祭りを表す激しい曲調です。続く「五十年祭」では世界中の巡礼者が歌う永遠の都・ローマへの讃歌とそれに応える教会の鐘が美しく響きます。「十月祭」は、秋に葡萄の収穫を祝う鐘の音やファンファーレ、愛の歌に包まれたのち、あたりは暗くなりセレナーデが流れます。最後の「主顕祭」ではイエス・キリストの誕生を祝う賑やかで盛大なお祭りから音楽が加速し華やかに幕を閉じます。

この編曲版は佐藤正人氏によるもので、1991年全日本吹奏楽コンクールで川越市立野田中学校が演奏し金賞を受賞、以来コンクールでも根強い人気を誇り、映画「青空エール」でも吹奏楽の名門・白翔高校の自由曲として取り上げられました。

  • 作編曲: オットリーノ・レスピーギ / 佐藤正人
  • 演奏形態: 吹奏楽大編成(55人〜)
  • グレード: 5
  • 演奏時間: 25分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FML-0033)

「ダフニスとクロエ」第2組曲(全曲版)|モーリス・ラヴェル / 齋藤淳

「ダフニスとクロエ」は、フランスの作曲家モーリス・ラヴェルが1909年から1912年にわたり作曲したギリシャ神話を題材にしたバレエ音楽です。「ダフニスとクロエ 第2組曲」とは、このバレエの第三場の音楽をほとんどそのまま抜き出したものを指しています。最近では『ダフクロ』と略され、人気が高いクラシック音楽の名曲の1つです。

音楽のはじまりは「夜明け」。山羊飼いの少年ダフニスと羊飼いの少女クロエが夜明けに再開するシーンです。空が白みはじめて鳥のさえずりが聴こえる頃、羊飼いに囲まれてクロエが姿を表します。続いて「パントマイム」へ移り変わり、二人は再会の喜びを胸にパーン神とシリンクスのアバンチュールを再現し、神に感謝します。やがて2人のパントマイムに若者たちも加わり、最後の曲「全員の踊り」へ。第一幕、第二幕の主題を回想したのち華やかなフィナーレを迎えます。

この楽譜は参考演奏時間16分、グレード5と高い演奏技術を求められます。合唱パートは管楽器に担当させる編曲となっていますので、オーケストラの演奏やスコアも参考にしながらラヴェルの描いた世界観の表現に挑戦してみてください。

  • 作編曲: モーリス・ラヴェル / 齋藤淳
  • 演奏形態: 吹奏楽大編成(52人〜)
  • グレード: 5
  • 演奏時間: 16分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FML-0286)
  • 発売日: 2022/03/31
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