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【課題曲選出で注目度UP‼】近藤礼隆「吹奏楽のための狂詩曲」シリーズをクローズアップ

1995年生まれの注目の新鋭・近藤礼隆氏。「風がきらめくとき」が2024年度全日本吹奏楽コンクールの課題曲に選出され、今後の活躍が期待されている作曲家の1人です。

民間企業で勤務する傍ら、個人として音楽活動を続けています。23年度千葉県吹奏楽コンクールでは、自身の母校である渋谷教育学園幕張高等学校吹奏楽部で自身の新曲を指揮し、金賞受賞と10年ぶりの本選大会出場へと導きました。

この記事では、近藤氏が2019年から発表している「吹奏楽のための狂詩曲」シリーズにスポットを当てます。「狂詩曲」とは叙事的,英雄的,あるいは民族的な色彩をもち,自由なファンタジー風の楽曲のことで、英語では「ラプソディー」です。
近藤氏の「吹奏楽のための狂詩曲」シリーズは、神話・民話に基づくストーリー構成、「和モノ」と呼ばれるジャンルである和風のメロディーとハーモニー、緩急に富んだドラマチックな展開が特徴です。最新発表順にご紹介いたします。

目次

「吹奏楽のための狂詩曲」シリーズ

吹奏楽のための狂詩曲〜鍾馗の伝説による

2022年発表、シリーズ2作目。中編成(33人〜)と極小編成(13人〜)があります。

2021年の緊急事態宣言時、島根県の伝統芸能・石見神楽で「鍾馗(ショウキ)」という演目がコロナ禍の早期終息を願い特別奉納されていました。鍾馗とは、中国の民間伝承に登場する神のことで、日本でも古くから信仰されており、鍾馗の絵は魔除けの効果があるとされています。吹奏楽の現場にも大きな影響を与えたコロナ禍の収束への祈りが込められた楽曲です。

この曲は、鍾馗が唐の皇帝・玄宗を悪鬼たちが引き起こす病から救った伝承が、緩・急・緩の3部構成で描かれています。

編成によって曲の始まり方に違いがあります。小編成版は金管楽器とティンパニで壮大に始まりますが、中編成版では低音楽器の伴奏と凛としたフルートソロによって厳かに始まります。それに続く物語のパートでは、唐の都の栄華や鍾馗の鬼退治・伝説への昇華などの場面がドラマティックに表現されています。

中編成版

  • 演奏形態: 中編成(33人〜)
  • グレード: 4
  • 演奏時間: 8分00秒
  • FML-0311(フォスターミュージック)
  • 発売日: 2022/07/13

小編成版

  • 演奏形態: 極小編成(13人〜)
  • グレード: 4
  • 演奏時間: 7分00秒
  • FML-0312(フォスターミュージック)
  • 発売日: 2022/08/03

吹奏楽のための狂詩曲〜九頭龍大神の伝説による

2019年発表、シリーズ第1作。中編成(35人〜)と小編成(20人〜)があります。

この作品は、日本の「九頭龍大神(クズリュウオオカミ)」という九つの頭と龍の尾をもつ鬼の伝説からインスピレーションを得て作曲されました。九頭龍大神の伝説はさまざまで、恵みの雨をもたらし多くの人々を助けたという伝説もあれば大洪水を起こして人々を襲ったという伝説もあります。おそらくこれらの伝説は、人間にはとても太刀打ちできない水の脅威と恵みを神格化したものなのでしょう。

様々な伝承を持つ九頭龍大神を元にできたこの曲は、大きく分けて緩・急・緩の3部構成になっており、それぞれ「祈り」「暴れる九頭竜大神」「祈り、恵み」といった場面をイメージしています。曲調も日本的なテイストで作られており、特に緩の場面では篳篥(ひちりき)を意識したフレーズが繰り返し登場する他、笙(しょう)を思わせるハーモニーや締太鼓など和楽器の要素を取り入れることで日本神話の神秘的な世界観を作り出しています。

中編成版

  • 演奏形態: 中編成(35人〜)
  • グレード: 4
  • 演奏時間: 6分00秒
  • FML-0262FS(フォスターミュージック)
  • 発売日: 2020/04/20

小編成版

  • 演奏形態: 小編成(20人〜)
  • グレード: 3+
  • 演奏時間: 6分00秒
  • FML-0257(フォスターミュージック)
  • 発売日: 2019/10/10

近藤礼隆氏2024年の新作にも注目!

高校在学中から作曲をはじめ、東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科を卒業。シアターピース(演奏者の行為(演技)を中心に構成される作品)の創作、アニメーション映像やオーディオドラマなどへの楽曲提供など、これまでにも多彩なジャンルで活躍してきた近藤礼隆氏。
そして、第33回朝日作曲賞に入選、コンクール課題曲に選出されて、今後益々の期待が寄せられています。

「吹奏楽のための狂詩曲」シリーズは、日本や中国の伝説やストーリーを音楽としてエンターテイメント性豊かに表現している自身初の吹奏楽編成のシリーズ作品です。和風・和もの楽曲がお好きな方は鑑賞・演奏してみてはいかがでしょうか?

関連リンク
近藤礼隆公式サイト https://nori-kn.tumblr.com/

ぞめきファンタジア

「ぞめき」とは、阿波おどりで用いられる鉦・三味線・笛・太鼓といった鳴り物によるお囃子のこと。祖谷の粉ひき唄など、関係の深い民謡やお囃子をもとにしたフレーズを用い、独特なリズムや展開を盛り込みながら祭りの熱気を表現しています。

  • 作編曲: 近藤礼隆
  • 演奏形態: 吹奏楽小編成(17人〜)
  • 演奏時間: 6分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FML-0335)
  • 発売日: 2024/01/10
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