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ジョン・バーンズ・チャンス吹奏楽作品6選

1966年には「朝鮮民謡による変奏曲」でABAオストワルド賞を受賞するなど、その将来を期待されつつも39歳の若さで急逝したジョン・バーンズ・チャンス。2022年で生誕90年・没後50年を迎えます。

1960年にフォード財団ヤング・コンポーザーズ・プロジェクトの12人の受賞者のひとりに選ばれたチャンスは、1960年から1962年までの3年間、グリーンズボロ市立学校(現在はギルフォード郡学校の一部)でコンポーザー・イン・レジデンスとして勤めます。学年や技量も大きく異なる高校生たちのために吹奏楽作品を執筆するなかで、当時ほとんどの作曲家が取り組まなかった打楽器セクションへの配慮に重点を置いた作曲を試み、のちの吹奏楽における打楽器セクションのあり方を大きく変化させることに貢献しました。

グリーンズボロでの在任後、作曲家としての考えが変わり、音楽教育者としての道を歩み始めたチャンスは、1966年からケンタッキー大学にて教鞭をとり、1972年に亡くなるまでの短いキャリアを通じて、チャンスは吹奏楽、オーケストラ、コーラス、室内楽団、ソロ楽器のための貴重なレパートリーを残しました。

吹奏楽界のスタンダードとして信頼され続ける6作品をご紹介します。

目次

呪文と踊り(1960)

チャンスが初めて出版した吹奏楽作品です。

リズミックで神秘的な不気味さを秘め、メロディとリズムの豊かな創意工夫、打楽器スコアの革新的な処理などを特徴とするこの曲は、吹奏楽界のスタンダードとして信頼され続けています。

この「第2版」は、初版の誤りを訂正し、作曲者の重要な演奏メモを手稿から復元し改訂されています。

序奏とカプリチオ~ピアノと24本の管楽器のために(1961)

吹奏楽、というよりも管楽合奏とピアノ独奏が巧妙に絡む室内楽的作品で、チャンスのほかの作品とはまた一線を画す雰囲気を持った1曲。

朝鮮民謡の主題による変奏曲(1966)

朝鮮戦争の際に陸軍隊員として朝鮮半島に赴任した際に耳にした「アリラン」のメロディに魅了されて作曲した1965年の作品で、翌1966年にはABAオストワルド賞を受賞しました。

スコアには「To Linda」と記され、リンダ・ライリー夫人に捧げられています。

ブルーレイク序曲(1971)

ミシガン州のブルーレイク・ファイン・アート・キャンプの委嘱により、1971年に初演されたダイナミックな3部形式の作品です。

3/8と2/8を巧みに使うことによって軽快なリズム感が生まれるよう作曲されましたが、初出時に拍子は4/4に変更されて表記されたため、ぎこちないものになっていました。この改訂版では、丹念な調査により作曲者が本来意図した非対称な拍子記号が復元されています。

エレジー(1972)

「悲しむ人々は幸いである」という聖書の一節から作曲した合唱曲をもとに、吹奏楽のために改編されたチャンス最晩年の作品です。

交響曲第2番(1972)

C#-D-F-Eの音型がモチーフとなった3楽章からなる交響曲で、1961年に作曲された「管楽器のための交響曲」がベースになっています。1972年、死の直前に改訂され、同年に完成したチャンスの遺作です。

  • I. Sussurando 07:20
  • II. Elevato 04:00
  • III. Slancio 05:50
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