打楽器と楽しむオススメ混合アンサンブル

アンサンブルコンテストでは、いわゆる古典的な編成のアンサンブルではなく、さまざまな組み合わせのアンサンブル形態が多くなってきました。特に打楽器を含んだ混合アンサンブルは人気が高く、多数のお問い合わせをいただきます。

今回は管楽器＆打楽器の編成で書かれたオリジナル作品をご紹介しますので、ぜひ選曲の参考にしてみてください。

木管＆打楽器

Prayer（プレア）　(2Sax+マリンバ）｜成田勤

自然の恵みや運命の変化等、さまざまな理由でそれぞれの信じる神仏へ祈る人をイメージし、精霊や神話等の登場人物を題材にした一連のアンサンブル作品のひとつとして作曲されました。

八王子市立浅川中学校吹奏楽部委嘱作品。

いまやゲーム音楽界では知らない人がいない成田氏。特にRPGゲームが好きな人ならどこかで成田さんの楽曲に触れているかもしれません。そんな成田氏ならではの、ファンタジー溢れる世界観をぜひアンサンブルで体験してみてください。

シルフィード　（木管3+マリンバ）｜成田勤

タイトルにある「シルフィード」とは神話上に度々登場する風の精霊「シルフ」の別称（女性形）。

精霊を題材にした一連の作品の1作目。神話・伝承の中に登場するものは、作者やその作品を見た人によって全くイメージが異なることもあり、メンバーでいろいろな想像を膨らませながら個性溢れる演奏していただければと思います。

フライング・ミックス・ジュース（木管3+マリンバ）｜金山徹

ちょっと変わった編成のユニット「ぶっとびMIXER」のデビューライブに際して、ユニットのテーマとして作曲。

ラテン風の明るい曲調から始まり、短調を経て、8分の12拍子のバラードに続きます。その後、最初のメロディに戻り、短いコーダで終わります。Oboeパートは、ClarinetかSop.Saxで置き換えることも可能です。

風雅なストーリア（木管3+打1）｜辻峰拓

タイトルは、代表的な音楽形式の一つであるフーガに日本的な響きである「風雅」かけ、西洋的な構成感、和音の選び方から日本語名の物語とせずストーリアと命名された、和洋折衷な1曲。

初演動画も参考にしながら、独特の世界観を表現してください。

回転する奏〈カナデ〉（木管3+打1）｜鹿野草平

3人の笛奏者と1人の打楽器奏者による想像上の儀式のような楽想をイメージして作曲されました。因習が残った、少し怖い古い儀式を想像してもらえればと思います。オーボエパートは、ソプラノサックスやクラリネットで代奏も可能です。

打楽器を中心に3人の管楽器奏者がそのまわりを反時計回りに回る演出をしたり、曲に合わせてオリジナルな振り付けをつけるのも良いでしょう。また、状況が許せば、照明や衣装などの舞台演出をほどこしてみるのも面白いと思います。

金管＆打楽器

交響的序曲（金管6+打2）｜福田昌範

2021年9月、石下西中学校（茨城県）の依頼により作曲されました。

明るいファンファーレから始まり、日本風のリズミカルさや叙情的なメロディがさまざまに展開していきます。

古い祈りの音楽による狂詩曲（金管6+打2）｜福田昌範

2021年10月泉丘中学校（茨城県）の依頼により作曲されました。力強いティンパニのソロから始まり、11世紀の古い聖歌がさまざまな形で演奏されます。

アンサンブルコンテストでも映える作品です。

管楽アンサンブル＆打楽器

夢への冒険（管7+打1）｜福島弘和

吹奏楽版も人気のロングセラー作品。

ディズニーアニメーションのヒロインが表情豊かに「夢の歌」を歌う場面、後半は元気よく「冒険に旅立つ」場面など色々と自由に想像しながら演奏してください。

あやつり人形劇場（管7+打1）｜福島弘和

谷川俊太郎詩、パウル・クレー画による絵本「クレーの絵本」(講談社 ISBN4-06-207824-4)に収録された同題の詩のイメージした自身のギターソロの曲をモチーフに編み直されました。

ロンド形式のようにリズミカルでテンポの速い4分3拍子の間にゆっくりでたっぷり歌える曲が入った全部で5場面にの作品。曲想や色彩感に変化をつけて演奏してください。

青は遠い色（管7+打1）｜福島弘和

谷川俊太郎の「青」という詩をもとに作曲した自作の合唱曲をモチーフに、混合八重奏曲を書き改められた作品。

冒頭のモチーフには「青は遠い色」という歌詞がそのまま当てはまります。フレーズごとに転調してゆくのは「空の青に触れられそうで、触れる事ができない」というイメージを表し、たっぷりと歌い込んで演奏してください。

谷川俊太郎詩、堀本惠美子画による絵本「青は遠い色」(玲風書房 ISBN4-947666-08-0)も是非参考にしていただけたらと思います。