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歌うように奏でるトロンボーンアンサンブルおすすめ楽譜


“トロンボーンがその真価を発揮するのはアンサンブル”といわれるほどに、トロンボーンアンサンブルが醸すやわらかい音の重なりは、ルネサンス・バロックからオーケストラ、ジャズ、吹奏楽など、そのスタイルを問わず多彩な表現で私たちを楽しませてくれます。今回はトロンボーンのために作曲されたオリジナル楽曲をご紹介します。

目次

スターライト・ハイウェイ|成田勤(3重奏)

トロンボーといえば、スライド奏法。その「スライド奏法」をコンセプトに置いて作曲されました。

スライド奏法での細かな音の動きが多いため、楽譜にはたくさんの音符が並び、それはさながら、星座を形作る満天の星のよう…。作曲者の成田氏は、そこから「スターライト」という題名を思いついたようです。

星空の中を気持ちよくドライブするような旋律をもち、トロンボーンで演奏される音を最大限に活用し、スピード感のあるさわやかなメロディーを紡ぎ出します。

アンサンブルコンテストで不動の人気を誇るロングセラー。

  • 作曲: 成田勤
  • 演奏形態: トロンボーン3重奏(Trb. 1/Trb. 2/Trb. 3 )
  • グレード: 4
  • 演奏時間: 5分0秒
  • FME-0199(フォスターミュージック)
  • 発売日: 2012/09/20

Aria – モシュコフスキへのオマージュ|野呂望

ポーランドの作曲家、モーリツ・モシュコフスキ。ピアノを嗜む方はその名前を目したことがあるかもしれません。彼の美しい作風と洗練されたピアニズムの真髄を感じさせる《ピアノ協奏曲 ホ長調 作品59》へ大きな敬意を込めて作曲されました。

管楽器の楽曲で、ホ長調 – E durという調は、どの移調楽器においても調号が多くなり技術的に難しくなってしまうせいか、ほとんど見かけることがありませんが、あえて原調が選択されています。

この美しい小さな曲に出会った方が、少しでもモシュコフスキへの興味を深めていただければ、これほど嬉しいことはありません、と作者の野呂氏は語っています。5重奏という編成もトロンボーンにおいては珍しい編成。ぜひトロンボーンアンサンブルの新たな可能性を広げていただけたらと思います。

2018年12月、昭和トロンボーンアンサンブル第30回定期演奏会にて初演。

  • 作曲: 野呂望
  • 演奏形態: トロンボーン5重奏(Trb. 1/Trb. 2/Trb. 3/Trb. 4/Bs.Trb. )
  • 演奏時間: 5分0秒
  • FME-0474(フォスターミュージック)
  • 発売日: 2021/01/14

メモリーズ|高嶋圭子(4重奏)

高嶋圭子氏のトロンボーンアンサンブル作曲は、パリ・トロンボーン4重奏楽団の存在と切っても切り離せません。難しい楽譜も軽々と演奏してしまうプロの楽団への提供から始まっているため、高嶋先生のトロンボールアンサンブル曲は、確かにやや難しいという印象があります。

この“メモリーズ”も、パリ・トロンボーン4重奏楽団のファイナルコンサートのために作曲された楽曲。楽団との思い出を「バラード」「タンゴ」「レクイエム」「フィナーレ」という、緩急に満ちたメロディーで聴かせます。そこから聴きとれるのは、トロンボーンという楽器に目覚めさせてもらった感謝でしょうか。トロンボーンの持つ、柔らかさや華やかさ、奥深さが詰まった一曲でもあります。

4つの楽章は独立しているため、組み合わせてアンサンブルコンテストにも。グレード4と難易度はやや高めですが、トロンボーンアンサンブルのすばらしさを感じられる珠玉の作品です。

  • 作曲: 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーン4重奏(Trb. 1/Trb. 2/Trb. 3/Bs.Trb. )
  • グレード: 4
  • 演奏時間: 8分0秒
  • FME-0304(フォスターミュージック)
  • 発売日: 2015/07/29

古都三景~4本のトロンボーンのための|高嶋圭子

日本の古き良き都である鎌倉・奈良・京都を訪れた際の印象とその記憶をもとに作曲した作品。

それぞれ、紫陽花、大仏、金閣寺というキャッチーなモチーフながらも、作者が着眼したその土地への細やかな愛着が伝わってくる温かい作品です。

それぞれの「古都」の情景に思いを馳せながら演奏してください。

  • 作曲: 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーン4重奏(Trb. 1/Trb. 2/Trb. 3/Bs.Trb. )
  • グレード: 4+
  • 演奏時間: 12分0秒
  • FME-0311(フォスターミュージック)
  • 発売日: 2015/11/19

パスピエ~4本のトロンボーンのための|高嶋圭子

パリ・トロンボーン4重奏楽団の初来日のために、初めてトロンボーンアンサンブルを書いた高嶋圭子氏。しかし、高嶋氏は楽団の演奏を聴き、“トロンボーンには音域の制約以外、不可能な演奏はない”と気づきます。そして、再来日に備えて作曲したのが本曲。
もともとがプロのためへの作曲ですからグレードは4+と高めで、現在では、一般団体や音大生などのコンサートでもたびたび見かけます。演奏の印象も上品であったり、力強かったり、楽団によってさまざま。それはそのまま、トロンボーンの多様性でもあるといえるでしょう。
特徴的な躍動感のあるリズムと明るいメロディーは、ぜひ高校生の若々しい演奏も聴いてみたいところ。
ぜひ一度、若い感性で“パスピエ”(古典舞曲)を奏でてみてください。

  • 作曲: 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーン4重奏(Trb. 1/Trb. 2/Trb. 3/Bs.Trb. )
  • グレード: 4+
  • 演奏時間: 5分0秒
  • FME-0305(フォスターミュージック)
  • 発売日: 2015/07/29

トロンボーンだからできるアンサンブルを!

スライドを動かして演奏する、独特な形態のトロンボーン。ほかの吹奏楽器ではできない“グリッサンド”、トロンボーンでなければできない表現のひとつ。その幅広い表現が、“歌うように奏でる”といわれるゆえんかもしれません。

ぜひ、自分たちにしかできないトロンボーンアンサンブルを奏でてください。

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