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吹奏楽で人気の邦人作曲家によるサックスアンサンブル作品5選


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吹奏楽で人気の邦人作曲家によるサックスアンサンブル作品5選

一般的にはジャズの印象の強いサックスですが、クラシックのレパートリーも豊富です。特にサクソフォン4重奏はアンサンブルコンテストでも人気が高く毎年名演が生まれています。

今回は吹奏楽でも人気の高い樽屋雅徳さん、江原大介さん、福田洋介さんのサクソフォンアンサンブルレパートリーをご紹介します。

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レグルス|樽屋雅徳

紀元前のはるか昔から、“ロイヤルスター”に数えられた、獅子座のレグルス。“レグルス”という名前自体がラテン語の“王”に由来する、夜空に燦然と輝く星でもあります。

そんなレグルスをモチーフに樽屋雅徳氏が作曲したのが本作品。

ドラマチックな音楽を得意とする樽屋氏が、本曲で表したレグルスの特徴は3つ。きらめく“輝き”、威風堂々とした“王”のイメージ、そして速い自転から“回転しながら弾丸のように突き進む姿”です。

フィグール・サクソフォン・クヮルテットの10周年の委嘱作品で、2016年11月に出版されたばかり。

ソプラノ・アルト・テナー・バリトンがそれぞれ1本ずつと、王道のサックス4重奏です。グレード4で5分ですから、アンサンブルコンテストの曲としてもオススメです。

レグルス

作曲:樽屋雅徳 (Masanori Taruya)Figur Saxophone Quartet

  • 編成: サクソフォン4重奏(S.Sax. / A.Sax. / T.Sax. / B.Sax. )
  • グレード: 4
  • 演奏時間: 5分0秒
  • FME-0344 フォスターミュージック


インフィニティ|江原大介

アリオンサクソフォンカルテットとクワチュール・べーの両団体による共同委嘱により、江原大介氏が作曲。そのため、ソプラノ・アルト・テナー・バリトンのサックスパート2人ずつの8重奏の楽譜です。

「無限・無限大」を表すインフィニティ。3つの楽章からなり、1楽章で緊張感を持ちながら音が徐々に広がり、2楽章は穏やかなテンポで雄大に、3楽章は速いテンポの華やかに重なった音が広がっていきます。

全体は13分30秒と長めの曲ですが、それぞれの楽章は独立しているので、部分的な演奏でアンサンブルコンテストなどにも使用OK。

穏やかな楽章も華やかな楽章も、サックスの表現を十分に堪能できる一曲です。

インフィニティ

作曲:江原大介 (Daisuke Ehara)

  • 編成: サクソフォン8重奏(S.Sax. 1 / S.Sax. 2 / A.Sax. 1 / A.Sax. 2 / T.Sax. 1 / T.Sax. 2 / B.Sax. 1 / B.Sax. 2 )
  • グレード: 4+
  • 演奏時間: 13分30秒
  • FME-0266 フォスターミュージック



宝船奇想曲第一:1.恵比寿 2.寿老人 3.大黒天|福田洋介

江古田サックス祭委嘱作で、七福神の組曲として、2011年の江古田サックス祭で演奏されました。第1から第3まで通すと30分を超える大作ですが、組み合わせによってはコンテストにも使用できます。

第一に収録されているのは、恵比寿・寿老人・大黒天の3人の神様です。トップバッターは唯一の日本の神様、恵比寿。“商売繁盛で笹持ってこい”とにぎやかなはやし言葉で知られる恵比寿の曲は、「遊ぶように」とサブタイトルが付けられ、どことなく日本のわらべうたに似たメロディーが奏でられます。

続く寿老人は、1500年も生きた仙人ともいわれ、長寿の象徴の牡鹿を従え、知恵を表す巻物を持っています。知恵と長寿の神が語りかけるように、サックスがゆっくりと語りかける曲です。

そして、恵比寿とともに商売繁盛の神として祀られる大黒天。打ち出の小槌を持ち、米俵の上に乗る姿は、商売繁盛や立身出世の神様としてよく知られますが、おおもとは仏教の守護神、戦いの神でした。それに由来して、リズムの変化に富んだダイナミックな力強さと、インドに由来するメロディーが奏でられます。

宝船奇想曲第一:1.恵比寿 2.寿老人 3.大黒天

作曲:福田洋介 (Yosuke Fukuda)


宝船奇想曲第二:1.毘沙門天 2.福禄寿|福田洋介

2011年に発表された「宝船奇想曲」の続編です。続いて登場する神さまは「毘沙門天」と「福禄寿」。

中国では武神・守護神とされていた毘沙門天。その静かな闘士が現実となったとき…というストーリー仕立てのコンテンポラリーな音楽です。

幸福=子宝、封禄=財産、長寿=健康の三徳の神、福禄寿は、背が低く長頭で長い髭をはやし、その姿はユーモラスでありながら人徳の表れでもあります。行進曲風の表情で不思議ながら理知的なメロディのコミカルな音楽です。

宝船奇想曲第二:1.毘沙門天 2.福禄寿

作曲:福田洋介 (Yosuke Fukuda)



宝船奇想曲第三:1.弁才天 2.布袋|福田洋介

宝船奇想曲の最終章で、2015年の江古田サックス祭で演奏されました。第3章の神様は、七福神唯一の女神である弁財天と、唯一の実在人物である布袋。

蛇を従える弁財天は、もともとは水の神様でした。しかし、大きな琵琶を持っているところから、“諸芸能上達の神”として信仰を集めるようになっています。弁天を象徴する琵琶の荘厳なメロディーをサックスで表現したのが、このパートです。

七福神の最後を締める布袋は、ぽってりと膨らんだお腹をして、衣をざっくりと着て大きな袋を背負って笑う、見るからにユーモラスな神様。大きな袋に身の回りのものや布施を入れて放浪し「笑って一生を暮らせ」という教えを説いたとか。布袋の言動そのままに、ゆったりとダイナミックで、笑い声が響くメロディーに仕上がっています。

宝船奇想曲第三:1.弁才天 2.布袋

作曲:福田洋介 (Yosuke Fukuda)


フィグール・サクソフォン・クヮルテット「宝船奇想曲」

最後に、サックスアンサンブルのCDをご紹介します。サックスアンサンブルとして精力的に活動するフィグール・サクソフォン・クヮルテット。その10周年の記念CDとして2015年の末に販売されました。

福田洋介氏・金山徹氏・啼鵬氏の3人の12曲を収録。中でも福田氏の七福神をモチーフにした「宝船奇想曲」はタイトルになっており、七福神すべてが揃っています。

宝船奇想曲は、第一から第三にそれぞれ順番に作曲されていますが、このCDではそれぞれを一つの曲とし、構成を考えて自由に並べています。

コンクールのための音源確認はもちろん、楽しむためのCDとしてもオススメの1枚です。


編集後記

サックスの人あるあるな気がするのですが、「サックスやってます」っていうと8割以上の確率で「カッコイイ!」って言われませんか?その次に「ジャズとか?」と聞かれる・・・。

私自身、小学校からサックスを吹いてきて、このやり取りが繰り返されるたびに<ジャズ吹けないコンプレックス>に苛まれてきました。サックスを吹いている以上、ジャズが吹けないとサックス吹けますって言っちゃダメなんじゃないか的な気持ちになるのです。

せっかく「カッコイイ」って言ってくれた人のご期待に沿えないんじゃないかと感じた結果、「いえいえそんなカッコイイ感じじゃないんです」と返してしまい、なぜ私はクラシックサックスの素晴らしさをちゃんと伝えられないんだ!とダブルで残念な気持ちになってしまうのです。ダメな私・・・

ここで声を大にして言いたい!私はクラシックサックスが大好きだーーー!ふぅ、スッキリ。

クラシックのサックスを聴いてもらうのだけでも少々ハードルが高いのに邦人のさらにオリジナルなんてマニア過ぎると思われるかもしれませんが、音楽的にも変化に富んで飽きずに楽しんでいただけると思うので、ぜひこの機会に聞いてみてください。

少々取り乱しました、失礼しました。

最後までお読みいただきありがとうございます。

それではまた次回。

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