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吹奏楽の父アルフレッド・リードの作品オススメ6選!

2005年9月17日、アルフレッド・リード氏の吹奏楽での偉大な足跡は伝説となりました。しかし、氏の残した吹奏楽曲は今もなお多くの人に愛され、演奏されています。

吹奏楽の神様、吹奏楽の巨星……さまざまに形容されるアルフレッド・リード氏。氏の吹奏楽に残した足跡を一つ一つ振り返ると、どれほどのものになるか見当もつきません。

偉大な足跡を多く残したリード氏の一番の功績は、吹奏楽をブラスバンドからウィンドオーケストラという構成に変え、シンフォニックな音楽を演奏するという形を作り上げたことでしょう。早い時期から編成や演奏する人数にこだわり、イメージして作曲したアルフレッド・リード氏。

日本との関わりの深かったリード氏の音楽は今なお日本で愛され、これからも生き続けます。

目次

一度は演奏したいアルフレッド・リード吹奏楽作品6選

アルメニアン・ダンス・パート1: Armenian Dances Part 1

アルフレッド・リード=この曲と言ってもいいほどの代表作で、アルメニアの民謡5曲を題材にしたラプソティー。戦争による悲劇がこの作品の誕生に関わるのですが、そのような暗さはみじんも感じさせない、格調高くスマートな吹奏楽曲です。

華やかな出だし、くるくる変わる曲調、賑やかな終章と聴かせどころの多い曲は、幅広い層に愛され、断トツの登場回数を誇ります。パート2に先駆けて楽譜発表・演奏されていますが、パート2を含めた1つの大曲の中の第1楽章です。

  • 作編曲: アルフレッド・リード
  • 演奏形態: 吹奏楽中編成(40人〜)
  • グレード: 4
  • 演奏時間: 12分0秒
  • 出版: Alfred Publishing / Belwin(00-BDM02031)

アルメニアン・ダンス・パートII: Armenian Dances Part II

この曲もアルフレッド・リード氏の代表作の第2作。叙情的な”農民の訴え”、かわいい軽やかな婚礼舞曲の”クーマー”、ドラマティックな”ロリ地方の民謡”の楽章からなります。

最終章は農夫の労働歌から生まれたメロディーですが、全吹奏楽器で襲いかかってくるような圧巻のアレンジ。

パート1に共通する部分もあり、体力勝負なプログラムにはなりますが、2作をあわせて演奏するのもよいでしょう。

春の猟犬: The Hounds of Spring

ヴィクトリア朝の詩人、A・C・スウィンバーンの合唱詩を元に作曲された作品。「詩の若さあふれる快活さと優しい恋の甘さを音楽として描いた」とアルフレッド・リード氏が語っています。

厳しい冬が終わり、命の息吹を感じさせる春。軽やかで楽しいメロディと優しく穏やかなメロディが若々しい恋の喜びを伝えます。奏でる方にも聴く方にも吹奏楽の楽しさを伝えるリード作品の中でも大人気の一曲です。

  • 作編曲: アルフレッド・リード
  • 演奏形態: 吹奏楽中編成(40人〜)
  • グレード: 4
  • 演奏時間: 9分10秒
  • 出版: Edward B. Marks Music (Hal Leonard)(6829)
  • 収録:アルフレッド・リード作品集

エル・カミーノ・レアル: El Camino Real – A Latin Fantasy

アメリカ空軍バンドの委嘱作品。副題に”ラテン・ファンタジー”とあるように、フラメンコを思わせるエネルギッシュなメロディーで幕を開けます。

タイトルはスペイン語で”王の道”を表しますが、宣教師たちが布教しながら開拓をした道にもつけられ、カリフォルニアの国道にも別名として残っています。

中盤に訪れるややもの悲しい旋律は、王の悲哀なのか、開拓のつらさなのか、先住民の悲しみなのかいろいろに解釈ができるでしょう。アルフレッド・リード氏得意の「急~緩~急」の構成で、最後はパワーのある吹奏楽で閉じ、聴く人を魅了します。

吹奏楽のための交響的素描「オセロ」: Othello

シェイクスピアの悲劇「オセロ」を題材にした吹奏楽曲です。元々が舞台のための音楽だったためか、具体的な台詞をイメージして曲が作られています。

構成するのは5つの楽章。つまり、アルフレッド・リード氏はわずか5つの台詞のイメージで、見事にオセロの世界を表現しているといえます。

特に後半の第4章、くどいほどに高らかに鳴り響く音色は、オセロを嘲笑する高笑いそのもの。最終章の悲劇的な旋律を際だたせます。

パンチネロ: Punchinello

1973年作曲の作品。

「punchinello」を辞書で引くと、

16世紀イタリアの人形劇の登場人物Pulcinellaがイギリスに渡り、イギリスの伝統的な指人形の登場人物と融合してPunchinelloとなったもの

とあり、総合して滑稽な道化師、その場に不釣り合いな人という意味合いを持ちます。

この曲には「ロマンティック・コメディのための序曲」という副題がついており、チャップリンを彷彿とさせるようなどこかコミカルな懐かしさを持った親しみ溢れる作品です。

吹奏楽の真髄を感じるアルフレッド・リード作品

シンフォニックな吹奏楽を切り開いてきたアルフレッド・リード氏の初期の作品は、新しい吹奏楽曲が次々生まれる今、古典に近くなっているのかもしれません。
しかし、古典だからといって色あせるものではなく、新しい音楽が生まれる中でも輝きを失わなわず、人々を魅了しているのがリード氏の作品です。楽譜を通してアルフレッド・リード氏を感じながら、ぜひ演奏してみてください。

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