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多彩な表現が楽しめる人気のフルートアンサンブル楽譜

多彩な表現ができる フルートアンサンブル 人気楽譜

軽やかで優雅なイメージのフルートは、オーケストラでも吹奏楽でも人気の的。西洋の楽器ながら、日本にも古くからある横笛も思わせる優しい音色は、和の表現だってお手のもの。多彩な表現が楽しめるフルートアンサンブル楽譜をご紹介します。コンテストやコンサートのレパートリーとして参考にしてください。

目次

フルートソロ

アリオーソとアレグロ|天野正道

打ち上げの席での委嘱から生まれた、フルート愛にあふれる作品。国立音楽大学の先輩後輩である矢木正明氏のリサイタルのために、「献呈曲」として書かれました。

冒頭の〈Arioso〉は、懐かしい風景を回想するような柔らかな旋律が印象的。ジャズの香りが漂うハーモニーと、ダウングリッサンドなどの独特の表現が、音の“つぶやき”に深みを加えます。
後半の〈Allegro〉は、タランテラ風のリズムと低音域の怪しげな動きが疾走感を生み出し、さまざまな表情を経てクライマックスへ。3オクターブにわたる音域とスピード感のある展開は、ソリスティックな挑戦にぴったりです。

ピアノ伴奏付きのソロ作品ですが、1曲の中でストーリーと技巧を両立できる点が魅力。音楽的にも技術的にも“やりがい”のあるレパートリーとして、発表会やコンクールにもおすすめです。

  • 作編曲: 天野正道
  • 演奏形態: フルートソロ(Fl./Pf. )
  • グレード: 4
  • 演奏時間: 5分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0532)
  • 発売日: 2022/11/17

愛の挨拶の物語〜エルガー「愛の挨拶」の主題による5つの変奏曲|三浦真理

「Solut d’Amour(愛の挨拶)」のメロディが、舞台をめぐるドラマ仕立ての変奏曲に──。
本作はフルート・横山聡子氏とピアノ・南雲彩氏の委嘱により、三浦真理氏が作曲したフルートとピアノのための組曲です。架空の街のオペラハウスを舞台にした5つの情景が、エルガーの名旋律をもとに展開されていきます。

構成は「劇場へ」「愛のノクターン」「オペラの夜」「悲しみのアダージオ」「ガラ・コンサート」の5曲。それぞれ約1~2分の小品ながら、まるでミニオペラのように展開していく構成のなかに、ショパン風のノクターンや華やかなポロネーズ、バロック調のアダージオ、祝祭のワルツなど、多彩なスタイルが凝縮され、演奏者の表現力を引き出すと同時に、聴衆の想像力もかきたてます。

技巧的な華やかさもありながら、どの曲も演奏時間は短めで、発表会やコンサートの構成にも取り入れやすい点が魅力。1曲だけを抜粋して演奏することも可能です。

脚本は市原聖子氏、解説は佐野悦郎氏、演奏アドバイスは横山聡子氏が担当し、音楽と物語をつなぐ多彩な表現が詰め込まれた一作。演奏する人自身も、まるで舞台の主人公になったかのような気分で楽しめることでしょう。

  • 作編曲: エドワード・エルガー/三浦真理
  • 演奏形態: フルートソロ(Fl./Pf. )
  • グレード: 4
  • 演奏時間: 10分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0517)
  • 発売日: 2021/12/23

菅野力委嘱フルートソロ作品

公募で寄せられた数多くの作品の中から5作品を厳選。さらに、菅野さんの委嘱によって生まれた4作品を加え、全9タイトルが揃いました。

いずれも、菅野さんのこれまでの経験と音楽観、そして「未来へつなぐフルートの音楽」をテーマにした力作ばかりです。演奏会やコンクール、レッスンのレパートリーとして、幅広いシーンでご活用いただける内容となっています。

フルート2重奏

パガニーニへのオマージュ|三浦真理

パガニーニの「カプリース第24番」の主題をもとに、パガニーニの時代へタイムトリップする──そんな物語にのせて描かれた5つの変奏曲が《パガニーニへのオマージュ》です。
原曲は2本のフルートとピアノのために作曲され、現在は4サクソフォーンとピアノ、さらに吹奏楽版へと展開されている人気作品です。

冒頭の華やかな前奏とカデンツァに続き、第1~3変奏《ジェノバの4枚の絵葉書》では、パガニーニの故郷・ジェノバの風景や人々が音楽として描かれます。手紙を読むように、聴く人の想像を誘う静かな旅が始まります。
第4変奏《薔薇の湖》は、夕暮れに染まる幻想的な湖。過去の記憶と未来への希望が柔らかく重なるような、ロマンティックなひとときが訪れます。そして第5変奏《海〜風と波》では、激しく揺れる海の情景が躍動感たっぷりに展開。風、波しぶき、鳥の飛翔など、自然の壮大さが音になってあふれ出します。

2本のフルートは対等な関係で、それぞれが旋律と表現の主役を担い、ピアノもまた色彩豊かなサウンドで全体を支えます。演奏や演出の自由度も高く、カットやアタッカでのつなぎも可能です。

佐野悦郎氏による丁寧な楽曲解説と、上阪学氏の演奏アドバイスも収録。オリジナルのカプリースを聴きながら、三浦真理の描いた“空想の音楽会”をぜひあなたの音で再現してみてください。

  • 作編曲: 三浦真理
  • 演奏形態: フルート2重奏(Fl. 1 (or Vn. 1)/Fl. 2 (or Vn. 2)/Pf. )
  • 演奏時間: 7分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0534)
  • 発売日: 2023/07/13

ジャパニーズ・ウィンド| arr. 岩田学

《Japanese Wind》は、日本の童謡・唱歌をモチーフにした、心温まるメドレー作品。
「茶摘み」「浜辺の歌」「赤とんぼ」「みかんの花咲く丘」の4曲に、オリジナルの前奏・間奏・エンディングを加え、美しい旋律の移ろいと和の響きを丁寧に描き出しています。

トリオ・フルールの委嘱第1作として誕生し、フルート・ヴァイオリン・ピアノ編成で作られましたが、フルート2本+ピアノでも演奏可能。音域が難しい場合は無理のない範囲で調整も可。発表会やコンサートでも演奏しやすく、幅広い年齢層に親しまれる一曲です。

シンプルな構成ながらも一つひとつの旋律を大切に紡ぎ、豊かな音楽表現を求められるレパートリー。日本の風景や四季、懐かしさを音に乗せ、日本の歌の魅力を新たなかたちで味わってみませんか?

  • 編曲:  岩田学
  • 演奏形態: フルート2重奏(2Fl. or Vn. & Fl./Pf. )
  • グレード: 4
  • 演奏時間: 5分20秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0560)
  • 発売日: 2023/12/13

フルート3重奏

銀雪を駆けて|田丸和弥

第1回江古田フルート祭公募入選作品として誕生した、フルート三重奏のためのオリジナル作品です。
タイトルの通り、雪に覆われた森の中を駆け抜けるようなイメージをもとに書かれており、冷たい空気、陽の光、舞い散る雪といった自然の変化を、視覚ではなく“感覚”でとらえた音楽が展開されます。

作曲者は「風景を描写したわけではなく、自分が感じたことを音にした」と語っており、情景描写というよりも、聴く人それぞれの内面に響くような表現が魅力です。

3本のフルートによる緻密なハーモニー、時に一体化し、時にすれ違う音型、そして抒情的な旋律──アンサンブルの魅力をたっぷり味わえる1曲です。

C管フルートのみで演奏可能で、演奏時間も約5分とアンサンブルコンテストにもおすすめです。

  • 作編曲: 田丸和弥
  • 演奏形態: フルート3重奏(Fl. 1/Fl. 2/Fl. 3 )
  • グレード: 3+
  • 演奏時間: 4分30秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0214)
  • 発売日: 2012/11/21

プリンセス・マーメイド(フルート3〜4重奏&opt.ピアノ)|三浦真理

アンデルセンの名作『人魚姫』のストーリーに沿って描かれた《プリンセス・マーメイド》。
これまでも三重奏・四重奏・サクソフォン版などが出版されてきましたが、今回の「音楽物語バージョン」は、ナレーションとピアノを加えた新装改訂版。脚本は市原聖子氏、解説は初演者である河野彬氏が担当しています。

楽曲は「前奏曲」から始まり、「嵐と魔女」「喜びと悲しみ」など全10場面で構成。可憐でロマンティックな旋律、エネルギッシュな展開、美しいハーモニーが一体となって、人魚姫の心の旅を描き出します。

1冊の楽譜で、フルート三重奏・四重奏・ピアノ付き・ナレーション付きの4パターンに対応可能。編成の自由度が高く、演奏会の趣旨やメンバーに応じて柔軟に取り組めるのも大きな魅力です。

音楽だけでも物語が浮かび、語りを加えれば世界がさらに広がる──
子どもから大人まで心を動かすこのファンタジックな一作、ぜひステージで演奏してみませんか?

  • 作編曲: 三浦真理
  • 演奏形態: フルート3重奏(3or4Fl & opt.Pf. )
  • グレード: 3+
  • 演奏時間: 14分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0533)
  • 発売日: 2022/12/14

フルート4重奏

rekte~フルート四重奏のために|侘美秀俊

「rekte(レクテ)」はアイヌ語で「口にあてて鳴らす」の意──まさにフルートそのものを象徴する言葉です。
本作は、札幌フルート協会「第13回スペシャルコンサート」のために書き下ろされた作品。侘美秀俊氏が自身の故郷・北海道の空気感や、アイヌのスピリチュアルな世界観を織り込みつつ、中高生でも取り組めるような構成にまとめられています。

曲は〈panke(下流)〉〈inen(四人)〉〈penke(上流)〉の3部構成。4人が異なる調性を奏でる“多調”の響きが印象的で、静かな水の流れや自然の息づかいを想像させます。

C管フルートのみで演奏可能で、演奏時間も約5分とアンサンブルコンテストにもぴったり。高度なテクニックよりも“音の表情”が求められる、表現の幅を育ててくれる一曲です。

  • 作編曲: 侘美秀俊
  • 演奏形態: フルート4重奏(Fl. 1/Fl. 2/Fl. 3/Fl. 4 )
  • 演奏時間: 5分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0541)
  • 発売日: 2023/07/13

フルート4重奏のための はなのゆくえ|福田洋介

「花の命は本当に儚いのか」──
《はなのゆくえ》は、咲くこと・散ることに秘められた花の本質を描いた、福田洋介によるフルート四重奏作品です。

生命をつなぐために艶やかに咲き誇り、やがて静かに散っていく花。その過程そのものに美があり、命の終わりを超えて続いていく“美の行方”を音でたどります。

曲は、冒頭に登場する「花のテーマ」と、2拍子の「運命のテーマ」を軸に展開。ストーリー性を強調せず、あくまでも“感覚”として香り立つような旋律と和声が、静けさとドラマを交差させながら進んでいきます。

フレーズや音色のコントラストが随所にあり、ロマンティックな響きの中にも芯のある音楽性が求められます。儚さと強さ、静けさと華やかさ──そんな二面性を表現することができれば、この作品の本質がより深く伝わるはずです。

演奏時間は約5分。コンサートやアンサンブルコンテストにもおすすめのレパートリーです。

  • 作編曲: 福田洋介
  • 演奏形態: フルート4重奏(Fl. 1/Fl. 2/Fl. 3/Fl. 4 )
  • グレード: 3
  • 演奏時間: 5分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0213)
  • 発売日: 2012.11.21

コクーン|山本哲也

硬く冷たい響きの“コクーン”と柔らかく暖かい響きを持つ“繭”。この2つの言葉が同じものを指す不思議、“違うのに同じ、同じなのに違う”おもしろさを山本哲也氏がフルートアンサンブルで表現しました。

使用するのはC管4本のみ。編成はシンプルながらやや高度な技術を要する作品です。
前半では不協和音が多用され、不安定で現代的な雰囲気を漂わせますが、後半にかけて少しずつ響きが整い、やがて美しく調和する音へと変化していきます。

速さや不協和音に現代曲風な雰囲気を感じますが、わずかな違いを表現して不協和を調和させるなど、練習を重ねるごとにこだわりが出てくるでしょう。

能の舞のような静かな緊張感や“和”の気配も感じられ、コンテストでも印象的なステージを演出できるでしょう。現代的な響きと内面の深さを併せ持つ、知的で挑戦しがいのあるアンサンブル作品です。

  • 作編曲: 山本哲也
  • 演奏形態: フルート4重奏(Fl. 1/Fl. 2/Fl. 3/Fl. 4 )
  • グレード: 4
  • 演奏時間: 5分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0215)
  • 発売日: 2012.11.21

北斗七星|本田優一郎

作曲家・ギタリストとして幅広く活躍する本田優一郎による作品。もともとは管打8重奏のために書かれた作品で、フルートとギターのユニット「ホラネロ」の4thアルバム『ヒグマのうた』にも収録され、今回はフルート四重奏版として編曲されました。

ヒグマをテーマにした楽曲の中で、“星とクマ”のつながりからインスパイアされたこの作品は、7拍子を基調にした印象的なリズムと浮遊感ある音の流れが特徴です。タイトルにある「北斗七星」は、北を指し示す道しるべであり、同時に“大グマ座”の一部。クマ=ヒグマ=大グマ座というユニークな発想が、幻想的な音楽世界を作り上げています。

不規則な拍子感の中にも詩的な構造があり、アンサンブルとしての統一感と柔軟な表現力が求められる1曲。
コンテストやコンサートでも個性的なプログラムとして際立つ作品です。

  • 作編曲: 本田優一郎
  • 演奏形態: フルート4重奏(Fl. 1/Fl. 2/Fl. 3/Bs.Fl. (opt. Bsn. or Bs.Cl. or B.sax.))
  • グレード: 4
  • 演奏時間: 4分50秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0411)
  • 発売日: 2019/02/06

フルート5重奏

スピアー|山本哲也

タイトルの「Spear=槍」が象徴するように、鋭く突き刺すような同音連打のモチーフから始まる《スピアー》。本作は快速テンポのソナタ形式で書かれており、第1主題と第2主題が強いコントラストを描き出します。

第1主題は、金属的な響きすら想起させる、同音のリズミカルな連打。まさに“槍”の突き刺すイメージを音にしたような、緊張感のある音型です。対して第2主題では、レガートによる上昇音形が登場。こちらは調性的で、柔らかく内省的な美しさを湛え、鋭さと対照的な“余韻”を感じさせます。

この2つの主題が展開部でぶつかり合い、再現部では再び鋭く交錯。全体を通してスピード感と構造美が際立ち、アンサンブルの精度と音楽性のバランスが問われます。

2018年秋、作曲から3年を経てフランス・パリで初演された本作は、現代的な感覚を持ちながらも古典的な形式美を内包した、演奏者にとってチャレンジングで刺激的な作品です。

  • 作編曲: 山本哲也
  • 演奏形態: フルート5重奏(Pic./Fl. 1/Fl. 2/Fl. 3/A.Fl. in G)
  • グレード: 4+
  • 演奏時間: 4分30秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0432)
  • 発売日: 2019/08/21

フルート6重奏以上

クアジ・アストル~アストル風に|小栗克裕(6重奏)

小栗克裕氏がアルゼンチンの作曲家アストル・ピアソラにオマージュを捧げて作曲した、フルート六重奏のための作品です。
すべてC管で演奏される6重奏という構成は、フルートアンサンブルの中では珍しく、特殊管が不要な点も魅力のひとつ。グレードは4+とやや高めですが、約5分の演奏時間という点も含めて、アンサンブルコンテストの選曲として多くの高校生に選ばれている人気曲です。

作品全体にはピアソラの影響が色濃く漂い、特に好んで用いた「フーガ」の技法が随所に登場。呼応するように音が重なり、澄んだフルートの響きが山びこのように空間に広がります。
流れるような旋律、水が湧き上がっては静かに舞い落ちていくような緩急のある展開が、聴く人の想像をかき立てます。

「リベルタンゴ」に代表されるピアソラ作品よりも、軽やかで華やかな印象を持つこの一曲。アンサンブルとしての精度はもちろん、音色のコントロールや表現の幅も試される、上質で美しいレパートリーです。

  • 作編曲: 小栗克裕
  • 演奏形態: フルート6重奏(Fl. 1/Fl. 2/Fl. 3/Fl. 4/Fl. 5/Fl. 6 )
  • グレード: 4+
  • 演奏時間: 5分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0130)
  • 発売日: 2011/10/14

想い出は銀の笛~フルートアンサンブルのための|三浦真理(6-9重奏)

フルートアンサンブルの定番として愛されてきた《想い出は銀の笛》。その名作に、新たに7重奏版が誕生しました!きっかけは、東京藝術大学出身の若手演奏家による「7吹人コンサート」からの委嘱。メンバーとの楽譜づくりを通じて、作曲者・三浦真理氏にとっても心温まる再創作となりました。

今回のアレンジでは、これまでの演奏体験を活かしつつ、新たに脚本を市原聖子氏と三浦氏自身が共同執筆。演奏のみで約11分、脚本付きでは音楽物語としての演出も可能です。

編成はフルート6~9重奏に柔軟に対応。ピッコロやバスフルート、コントラバスフルートなど、オプションで音色の幅を広げることができます。フルート4重奏&ピアノ伴奏版も好評発売中です。さまざまな編成でお楽しみください。

  • 作編曲: 三浦真理
  • 演奏形態: フルート6重奏(Fl. 1/Fl. 2/Fl. 3/Fl. 4/Fl. 5 or Pic./A.Fl./Bs.Fl. 1/Bs.Fl. 2/C.B. Fl.*)
  • グレード: 3+
  • 演奏時間: 11分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0519)
  • 発売日: 2022/03/03
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