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サックスアンサンブル特集|聴き映えするソロ〜8重奏 人気邦人作曲家オリジナル曲【演奏動画あり】

吹奏楽で人気の邦人作曲家によるサックスアンサンブル作

一般的にはジャズの印象の強いサックスですが、クラシックのレパートリーも豊富です。特にサクソフォン4重奏はアンサンブルコンテストでも人気が高く毎年名演が生まれています。

今回は吹奏楽でも人気の高い作曲家によるサクソフォンアンサンブルレパートリーをご紹介します。

目次

サクソフォンソロ

ネクスト・エンジェルス〜サクソフォンとピアノのための|清水大輔

清水大輔によるサクソフォンとピアノのための名品。友人の結婚と新しい命の誕生をテーマに、「次の天使」=生まれてくる子どもへの祈りが込められています。アルトサクソフォンが歌い上げる旋律は、聴く人の心を温かく包み込み、自然と息づかいに寄り添ってくれるでしょう。

オプションでソプラノサクソフォン版も収録されており、自分らしい響きを選んで表現できるのも魅力です。

  • 作編曲: 清水大輔
  • 演奏形態: サクソフォンソロ(A.sax./Pf. )
  • グレード: 3
  • 演奏時間: 6分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0632)
  • 発売日: 2025/02/06

薫風〜無伴奏サクソフォンのために|清水大輔

自作の個展演奏会のために書いた無伴奏作品。タイトルの「薫風」は、初夏に吹く心地よい風を意味します。自然の中にひとり佇み、目を閉じて感じる風や光、匂いを音で描き出すように、自由で有機的な表現が求められます。

テンポや間合いも譜面に縛られず、あえて自由に扱うことで、演奏者自身の感性がそのまま音楽になる作品です。どの楽器を使用しても表現できます。それぞれ違った個性の薫風を作り上げてください。

2重奏版も好評発売中です。

  • 作編曲: 清水大輔
  • 演奏形態: サクソフォンソロ(sax. in Bb or in Eb)
  • グレード: 4
  • 演奏時間: 6分10秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0633)
  • 発売日: 2025/02/06

ル・モ・エモシォネル|長生淳

「子を思う親の心」をテーマに描いた、テナーサクソフォンとピアノのための作品。タイトルの〈ル・モ・エモシォネル=感情をこめた言葉〉の通り、語りかけるように旋律が紡がれ、時に静かに、時に熱く心情を吐露するような音楽が展開します。テナーサクソフォンならではの深い響きが、親と子、世代を超えて受け継がれる想いを歌い上げる一曲。

仲田守氏のアルバム「モン・トレゾール」に収録されています。

  • 作編曲: 長生淳
  • 演奏形態: サクソフォンソロ(T.sax./Pf. )
  • 演奏時間: 5分50秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0550)
  • 発売日: 2023/07/27

メモリア|江原大介

江原大介が、恩師・仲田守氏への感謝を込めて作曲したテナーサクソフォンとピアノのための作品。タイトル〈メモリア〉はラテン語で「記憶」を意味し、主題がさまざまな調を経て進むことで、積み重ねてきた情景や想いを巡る旅のような音楽が広がります。

クラシックの書法をベースにしながらも、ジャズコードを織り交ぜた抒情的なサウンドが魅力。
リサイタルのアンコールにもおすすめ。優しいテナーサックスの音色は演奏会にあたたかな余韻を残すでしょう。

  • 作編曲: 江原大介
  • 演奏形態: サクソフォンソロ(T.sax./Pf. )
  • 演奏時間: 5分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0551)
  • 発売日: 2023/07/27

サクソフォン2重奏

スプリング・トライアングル|豊住竜志

豊住竜志による〈スプリング・トライアングル〉は、ソプラノサクソフォン・アルトサクソフォン・ピアノによるトリオのための作品。春の夜空に輝く「春の大三角」に着想を得て、星々の光や妖精が舞うような自然界の風景を音楽で描き出しています。全3楽章・約11分にわたる構成は、まさに壮大な音楽の星図を描くかのよう。

ソプラノとアルトの対話にピアノが織りなす色彩が加わり、リサイタルやコンサートのメインピースとして強い存在感を放ちます。

  • 作編曲: 豊住竜志
  • 演奏形態: サクソフォン2重奏(S.sax./A.sax./Pf. )
  • 演奏時間: 11分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0405)
  • 発売日: 2019/02/06

ブナの林で|船橋登美子

白神山地のブナ林をイメージして書かれたサクソフォン二重奏とピアノのための作品。新緑の美しさ、梢を渡る風、泉のきらめきといった自然の情景を、ソプラノとアルトの掛け合いで色鮮やかに描き出します。

爽やかな風景をふたりで会話しながら楽しく歩くような一曲で、デュオならではの掛け合いの面白さを味わえる1曲。
風に吹かれる、爽やかなブナの林のイメージを忘れず大らかに演奏してください。

  • 作編曲: 船橋登美子
  • 演奏形態: サクソフォン2重奏(S.sax./A.sax./Pf. )
  • 演奏時間: 5分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0408)
  • 発売日: 2019/02/06

斎藤尚久アンサンブルコレクション[デュオ&トリオ]

サクソフォン3重奏

スカーレット・ステップス|福田洋介

アルト・テナー・バリトンによる三重奏のための作品。タイトルの“スカーレット”=深い朱色をイメージし、「紅葉の上を歩く」風景をポップで洒落た響きで描いています。

7thコードを多用したハーモニーとシンコペーションの軽快なリズムは、まるでステップを踏むよう。甘さと渋さをあわせ持つジャズ風のサウンドは、サクソフォンならではの魅力を存分に味わえます。

グレードは2+と取り組みやすく、アンサンブルを始めたばかりの団体にもおすすめ。軽やかなノリと歌心を楽しみながら、観客を思わず笑顔にさせる一曲です。

  • 作編曲: 福田洋介
  • 演奏形態: サクソフォン3重奏(A.sax./T.sax./B.sax. )
  • グレード: 2+
  • 演奏時間: 5分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0086)
  • 発売日: 2010/08/25

ブーケ・ソネット|福田洋介

架空の短編小説をテーマにしたサクソフォン三重奏。バロック音楽へのオマージュとして、コレルリやテレマン、バッハを思わせるモチーフを取り入れながらも、7度・9度を用いた現代的な響きで独自の世界を描いています。

淡々と進む中に繊細な色合いを織り込み、まるで小説を読み進めるように音楽が展開。気品ある響きと奥行きあるハーモニーは、コンクールでも演奏会でも観客を引き込むことでしょう。

  • 作編曲: 福田洋介
  • 演奏形態: サクソフォン3重奏(S.sax./A.sax./B.sax. )
  • グレード: 3+
  • 演奏時間: 4分30秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0087)
  • 発売日: 2010/08/25

サクソフォン4重奏

ラピッド・スパイダー ~サクソフォーン・クヮルテットのために|清水大輔

目まぐるしい展開とジャンルを超えたサウンドが凝縮されたサクソフォン四重奏曲。冒頭の緊張感ある不協和音から一転、フュージョン風の疾走感、しなやかな旋律、ジャズの軽快さ、そしてロックの力強さへと変化し、わずか5分弱で圧倒的なコントラストを描き出します。

テンポの切り替え、リズム感、音色の変化など、アンサンブルに必要な力を総合的に試せる構成はコンテストに最適。
短い中に聴かせどころがぎゅっと詰め込まれており、会場を一気に惹き込むインパクトを放ちます。技術面でも表現面でも手応え十分で、挑戦する価値のある一曲です。

  • 作編曲: 清水大輔
  • 演奏形態: サクソフォン4重奏(S.sax./A.sax./T.sax./B.sax. )
  • グレード: 4+
  • 演奏時間: 4分40秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0647)
  • 発売日: 2025/09/04

レダ・アトミカ|清水大輔

サルバドール・ダリの絵画をモチーフに書かれたサクソフォン四重奏。クラシカルからロック、ジャズまで多様なスタイルが目まぐるしく展開し、わずか5分弱の中にシュルレアリスム的な不思議な世界が広がります。

グレードは3+と手が届きやすく、それでいてサクソフォンの多彩な表情を味わえる構成はコンテストにぴったり。
各パートが次々と異なる役割を担うため、アンサンブルの呼吸を合わせる力や表現の幅を自然と磨くことができます。観客を“異世界”へと誘うような独特の響きは、ステージで強い印象を残すことでしょう。

  • 作編曲: 清水大輔
  • 演奏形態: サクソフォン4重奏(S.sax./A.sax./T.sax./B.sax. )
  • グレード: 3+
  • 演奏時間: 4分45秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0629)
  • 発売日: 2025/02/06

ソナチネ第二番~サクソフォン4重奏のための|酒井格

カルテット颯の依頼により書き下ろした酒井氏とって初めてのサクソフォン四重奏曲。

ソナタ形式による中庸なテンポの第一楽章、同じくソナタ形式(但し展開部を持たない)によるゆったりしたテンポの第二楽章、ロンド・ソナタ形式による快活なテンポの第三楽章という、古典派の伝統的なスタイルで書かれた作品ですが、モーリス・ラヴェルのソナチネという作品から着想を得て作曲された、とてもチャーミングな作品です。

それぞれの楽器の魅力を活かすことと、同族楽器ならではの一体的な響きを活かすことが意識され、古典的なサクソフォーン4重奏曲の味わいも感じられる1曲。

2018年3月に、高山市でレコーディングを行い、2018年7月にクロアチアで開催されたワールドサクソフォンコングレスでのコンサートで世界初演されました。

  • I. アレグロ 03:56
  • II. アンダンテ 04:14
  • III. ヴィヴァーチェ 03:17
  • 作編曲: 酒井格
  • 演奏形態: サクソフォン4重奏(S.sax./A.sax./T.sax./B.sax. )
  • グレード: 4+
  • 演奏時間: 11分30秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0422)
  • 発売日: 2019/07/11

レグルス|樽屋雅徳

フィグール・サクソフォン・クヮルテットの10周年の委嘱作品。

紀元前のはるか昔から、“ロイヤルスター”に数えられた、獅子座のレグルス。“レグルス”という名前自体がラテン語の“王”に由来する、夜空に燦然と輝く星でもあります。

そんなレグルスをモチーフに樽屋雅徳氏が作曲したのが本作品。ドラマチックな音楽を得意とする樽屋氏が、本曲で表したレグルスの特徴は3つ。きらめく“輝き”、威風堂々とした“王”のイメージ、そして速い自転から“回転しながら弾丸のように突き進む姿”です。

ソプラノ・アルト・テナー・バリトンがそれぞれ1本ずつと、王道のサックス4重奏です。グレード4で5分ですから、アンサンブルコンテストの曲としてもオススメです。

  • 作編曲: 樽屋雅徳
  • 演奏形態: サクソフォン4重奏(S.sax./A.sax./T.sax./B.sax. )
  • グレード: 4
  • 演奏時間: 5分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0344)
  • 発売日: 2016/11/22

下町小景|追榮祥

追榮祥による〈下町小景〉は、サクソフォン四重奏で下町の賑わいや人々の活気を描いた作品。商店街の喧騒や路地裏の佇まい、そこに息づく歴史の厚みを、カルテットならではの色彩感豊かな響きで表現しています。

旋律の掛け合いが生き生きと街並みを描き出し、にぎやかさの中にふと訪れる哀愁も感じさせます。演奏者同士の会話のようなアンサンブルが楽しめ、聴き手に情景を鮮やかに想像させ、会場を“ひとつの街角”に変えてしまう、そんな一曲です。

  • 作編曲: 追榮祥
  • 演奏形態: サクソフォン4重奏(S.sax./A.sax./T.sax./B.sax. )
  • グレード: 4
  • 演奏時間: 6分50秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0494)
  • 発売日: 2021/07/21

ハッピー・ジャミー・スマイリー!|野呂望

「Jammy Quartet」というサクソフォンカルテットの委嘱により、2015年に作曲。

メンバーの和やかな人柄と、そこから彩られる鮮やかな音色に着想を得て、とある休日の晴れやかな午後に、鼻歌を歌いながら陽気に散歩をするようなイメージの可愛らしいテイストに仕上げました。

16beat bounceは、意外と触れる機会の多くない音楽かもしれません。まずは歌ってみたりなどして、少しずつこの特徴的なリズム感に慣れていくように練習をしてみるといいのではないかと思います。お好みでパーカッションを付け足してみるのもいいかもしれません。演奏会でのレパートリーなどとして、ぜひチャレンジしてみてください。

  • 作編曲: 野呂望
  • 演奏形態: サクソフォン4重奏(S.sax./A.sax./T.sax./B.sax. )
  • 演奏時間: 4分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0475)
  • 発売日: 2021/01/14

チャラサックス|山本哲也

複雑なメロディーや不協和なハーモニーがあったとしても、リズム面において明確なビートや引き込まれるグルーブ感さえあれば、抵抗なく聴けるのではないか?という発想から、この作品は生まれました。

メインテーマは回帰するたびに違う調に着地し、それぞれ異なる色彩や変化が加えられ、独特の不安定さを醸し出していますが、ポップスの要素が強く、全体的には肩の力を抜いて聞ける作品です。

一見変わったタイトルのこの作品、「チャラ」とはなんなのか、グリーンレイ・サクソフォーンカルテットによるエピソードトークもぜひ併せてお楽しみください。

  • 作編曲: 山本哲也
  • 演奏形態: サクソフォン4重奏(S.sax./A.sax./T.sax./B.sax. )
  • グレード: 4+
  • 演奏時間: 6分20秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0434)
  • 発売日: 2019/08/21

宝船奇想曲|福田洋介

第一:1.恵比寿 2.寿老人 3.大黒天

江古田サックス祭委嘱作で、七福神の組曲として、2011年の江古田サックス祭で演奏されました。第1から第3まで通すと30分を超える大作ですが、組み合わせによってはコンテストにも使用できます。

第一に収録されているのは、恵比寿・寿老人・大黒天の3人の神様です。トップバッターは唯一の日本の神様、恵比寿。“商売繁盛で笹持ってこい”とにぎやかなはやし言葉で知られる恵比寿の曲は、「遊ぶように」とサブタイトルが付けられ、どことなく日本のわらべうたに似たメロディーが奏でられます。

続く寿老人は、1500年も生きた仙人ともいわれ、長寿の象徴の牡鹿を従え、知恵を表す巻物を持っています。知恵と長寿の神が語りかけるように、サックスがゆっくりと語りかける曲です。

そして、恵比寿とともに商売繁盛の神として祀られる大黒天。打ち出の小槌を持ち、米俵の上に乗る姿は、商売繁盛や立身出世の神様としてよく知られますが、おおもとは仏教の守護神、戦いの神でした。それに由来して、リズムの変化に富んだダイナミックな力強さと、インドに由来するメロディーが奏でられます。

  • 作編曲: 福田洋介
  • 演奏形態: サクソフォン4重奏(S.sax./A.sax./T.sax./B.sax. )
  • グレード: 3+
  • 演奏時間: 9分50秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0117)

第二:1.毘沙門天 2.福禄寿

続いて登場する神さまは「毘沙門天」と「福禄寿」。

中国では武神・守護神とされていた毘沙門天。その静かな闘士が現実となったとき…というストーリー仕立てのコンテンポラリーな音楽です。

幸福=子宝、封禄=財産、長寿=健康の三徳の神、福禄寿は、背が低く長頭で長い髭をはやし、その姿はユーモラスでありながら人徳の表れでもあります。行進曲風の表情で不思議ながら理知的なメロディのコミカルな音楽です。

  • 作編曲: 福田洋介
  • 演奏形態: サクソフォン4重奏(S.sax./A.sax./T.sax./B.sax. )
  • グレード: 3+
  • 演奏時間: 9分30秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0158)
  • 発売日: 2012/06/27

第三:1.弁才天 2.布袋

宝船奇想曲の最終章で、2015年の江古田サックス祭で演奏されました。第3章の神様は、七福神唯一の女神である弁財天と、唯一の実在人物である布袋。

蛇を従える弁財天は、もともとは水の神様でした。しかし、大きな琵琶を持っているところから、“諸芸能上達の神”として信仰を集めるようになっています。弁天を象徴する琵琶の荘厳なメロディーをサックスで表現したのが、このパートです。

七福神の最後を締める布袋は、ぽってりと膨らんだお腹をして、衣をざっくりと着て大きな袋を背負って笑う、見るからにユーモラスな神様。大きな袋に身の回りのものや布施を入れて放浪し「笑って一生を暮らせ」という教えを説いたとか。布袋の言動そのままに、ゆったりとダイナミックで、笑い声が響くメロディーに仕上がっています。

  • 作編曲: 福田洋介
  • 演奏形態: サクソフォン4重奏(S.sax./A.sax./T.sax./B.sax. )
  • グレード: 4
  • 演奏時間: 12分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0336)

「ヴィーヴ!サクソフォーン・クヮルテット」シリーズ

ハッピー☆マッキー・SAXカルテット

サクソフォン4重奏+ピアノ

作家たちの記憶|清水大輔

才能溢れるロシアの大作曲家の人生の岐路がドキュメンタリーテイストで描かれています。誰のどの曲が盛り込まれているかにもご注目♪さまざまな経験を経て書かれた有名な旋律の裏にはいったいどんなドラマがあったのか・・・、是非想像しながら演奏してください。

ハッピー☆マッキーSAXカルテットとピアノの共演による華やかな演奏もお楽しみください。

  • 作編曲: 清水大輔
  • 演奏形態: サクソフォン4重奏(S.sax./A.sax./T.sax./B.sax./Pf. )
  • グレード: 4+
  • 演奏時間: 7分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0499)
  • 発売日: 2021/09/23

パガニーニへのオマージュ|三浦真理

プリース第24番の主題をもとに5つの変奏で構成されたサクソフォン四重奏とピアノのための作品。原曲はフルート版ですが、ハッピー☆マッキーSAXカルテットの10周年記念にあわせて新たに編曲され、華やかなスケール感を持つ作品として誕生しました。

第1〜3変奏では「ジェノバの絵葉書」をテーマに、風景や人々の姿を描写。第4変奏〈薔薇の湖〉ではロマンティックな夕暮れを、第5変奏〈海〜風と波〉では荒々しい自然のエネルギーを表現します。華やかなカデンツァや、情景豊かな旋律、そしてスリリングなパッセージが次々と展開し、聴き手を壮大な物語へと誘います。

  • 作編曲: 三浦真理
  • 演奏形態: サクソフォン4重奏(S.sax./A.sax./T.sax./B.sax./Pf. )
  • 演奏時間: 7分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0498)
  • 発売日: 2021/09/23

サクソフォン5重奏

帆風〜独奏ソプラノサクソフォンとサクソフォン四重奏のための|福島弘和

福島弘和による〈帆風〉は、独奏ソプラノサクソフォンとサクソフォン四重奏のために書かれた新作。2025年5月、横浜みなとみらいホールで開催された「NOK Saxophone Quartet 10周年記念コンサート」にて、田中靖人氏をソリストに迎えて初演されました。

タイトル〈帆風〉が示すように、帆を膨らませて進む船と風の躍動をイメージさせる作品。ソプラノサクソフォンの自由な旋律と、カルテットの厚みある響きが織りなす音楽は、雄大さと繊細さを兼ね備えています。

ソリストの歌心とアンサンブルの一体感が問われる、“聴かせどころ”満載の一曲。
演奏会のメインプログラムとしても、特別なステージに相応しい作品です。

  • 作編曲: 福島弘和
  • 演奏形態: サクソフォン5重奏(Solo S.sax./S.sax./A.sax./T.sax./B.sax. )
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0650)
  • 発売日: 2025/09/04

綿色のパヴァーヌ|福田洋介

古典舞曲パヴァーヌのリズムを借りながら、コラール風に仕立てたサクソフォン五重奏曲。孔雀の羽を広げたような優雅さをイメージし、全曲を通して「4分音符+8分音符+8分音符」のリズムが一貫して流れていきます。

その中で刻々と表情や響きが変化し、最後には冒頭の調べに回帰する構成は、シンプルでありながら深い味わいを持っています。Silky=絹のように柔らかな音色と豊かなハーモニーを大切に、上品でありながらドラマを感じさせる演奏が求められる一曲。

グレード2+と取り組みやすい難易度ながら、響きの美しさやアンサンブル力を磨くのに最適。コンテストや演奏会で、落ち着いた存在感を放つプログラムとしておすすめです。

  • 作編曲: 福田洋介
  • 演奏形態: サクソフォン5重奏(S.sax./A.sax. 1/A.sax. 2/T.sax./B.sax. )
  • グレード: 2+
  • 演奏時間: 4分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0088)
  • 発売日: 2010/08/25

夢はいつまでも|彦坂僚太[4,5,6重奏]

パッチワークのように次々とメロディが入れ替わり、全員が主役になれる楽しさにあふれた1曲。

タイトルに込められたのは「夢は夢のままだからこそ、誰もが胸に秘め続けられる」という想い。どこか少年少女のようなキラキラしたときめきと、前に進む力強さを感じさせる作品です。

3分台というコンパクトさながら、曲想の変化やアンサンブルの掛け合いが充実しており、コンテストにも演奏会にもおすすめ。テンポ感を保ちながら、メロディと伴奏のバランスを工夫すると、一層生き生きとした響きになります。

  • 作編曲: 彦坂僚太
  • 演奏形態: サクソフォン5重奏(S.sax./A.sax. 1/A.sax. 2/T.sax./B.sax. )
  • 演奏時間: 3分50秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0448)
  • 発売日: 2020/03/26

4重奏版6重奏版もあります

サクソフォン6重奏

サクソフォン・シャンソネット |福田洋介

Blitz Brass Saxophone Ensembleの委嘱で生まれた全4楽章(約20分)の組曲。コンセプトは「サクソフォンで歌う」──ソプラノからバリトンまで、それぞれの個性を生かしながら、リッチで繊細、ロマンティックな歌心を描きます。

各楽章はフィーチャー楽器が異なり、コケティッシュでシャンソン風なソプラノ、華やかなアルト、夢心地のテナー、豪快なバリトンと、各楽器の魅力を存分に発揮。古きフランスのショーミュージックやタンゴ、ミュゼットなど多彩なスタイルが交錯し、エンターテインメント性の高い作品に仕上がっています。

I. フーガ

  • 作編曲: 福田洋介
  • 演奏形態: サクソフォン6重奏(S.sax./A.sax. 1/A.sax. 2/T.sax. 1/T.sax. 2/B.sax. )
  • グレード: 4+
  • 演奏時間: 4分30秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0054)
  • 発売日: 2010/07/21

II. ミュゼット

  • 作編曲: 福田洋介
  • 演奏形態: サクソフォン6重奏(S.sax./A.sax. 1/A.sax. 2/T.sax. 1/T.sax. 2/B.sax. )
  • グレード: 4+
  • 演奏時間: 4分10秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0055)
  • 発売日: 2010/07/21

III. 子守歌・・・夢

  • 作編曲: 福田洋介
  • 演奏形態: サクソフォン6重奏(S.sax./A.sax. 1/A.sax. 2/T.sax. 1/T.sax. 2/B.sax. )
  • グレード: 4+
  • 演奏時間: 6分20秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0056)
  • 発売日: 2010/07/21

IV. パレード

  • 作編曲: 福田洋介
  • 演奏形態: サクソフォン6重奏(S.sax./A.sax. 1/A.sax. 2/T.sax. 1/T.sax. 2/B.sax. )
  • グレード: 4+
  • 演奏時間: 5分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0057)
  • 発売日: 2010/07/21

サクソフォン8重奏

インフィニティ|江原大介

Arion Saxophone QuartetとQuatuor Bの共同委嘱で生まれたサクソフォン八重奏曲。2014年、名古屋・東京でのジョイントコンサートにて初演されました。

全3楽章からなり、第1楽章はベル・トーンによる緊張感のある序奏、第2楽章はサクソフォンの叙情的な響きを存分に味わえる緩やかな楽章、そして第3楽章では蓄えられたエネルギーが一気に爆発する急速な展開が繰り広げられます。

約13分半の大作ながら、各楽章が独立して演奏可能なのも大きな魅力。
演奏会では全曲を通して壮大なスケールを示し、アンサンブルコンテストでは時間規定に合わせて抜粋や単独楽章での演奏も可能です。特に第3楽章は4分半ほどで完結し、切れ味鋭いコンテスト向けレパートリーとしておすすめ。

  • 作編曲: 江原大介
  • 演奏形態: サクソフォン8重奏(S.sax. 1/S.sax. 2/A.sax. 1/A.sax. 2/T.sax. 1/T.sax. 2/B.sax. 1/B.sax. 2 )
  • グレード: 4+
  • 演奏時間: 13分30秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0266)
  • 発売日: 2014/08/28

シー・オブ・ウィズダム〜知恵を持つ海 (Sax8+opt. Perc.)

清水大輔の代表作〈シー・オブ・ウィズダム〜知恵を持つ海〉が、サクソフォン八重奏+オプション打楽器版として新たに登場しました。原曲は2007年に作曲され、和歌山・南紀白浜の海を題材にした作品として多くの吹奏楽団に親しまれてきましたが、今回、Adam Saxophone Quartetの発案によりアンサンブル版として生まれ変わりました。編曲は清水大輔氏のレッスン生である梅田詠侍氏が担当しています。

サクソフォン8本により描かれる音楽は、豊かなハーモニーと重厚なスケール感を持ち、吹奏楽版にも劣らぬ迫力を放ちます。さらにオプションで打楽器を加えることで、音色の彩りとドラマ性が一層引き立ちます。

原曲を知る聴衆には新鮮さを、初めて触れる人には壮大なサックスの響きを届けられるでしょう。記念演奏や大きなステージのプログラムにふさわしい一曲です。

  • 作編曲: 清水大輔 arr. 梅田詠侍
  • 演奏形態: サクソフォン8重奏(S.sax. 1/S.sax. 2/A.sax. 1/A.sax. 2/T.sax. 1/T.sax. 2/B.sax. 1/B.sax. 2/Timp.*/Perc. 1 (Tri., Wind Chimes, Sus. Cym., Chimes, S.D.)(*)/Perc. 2 (Vib., Glock., Chimes, Crash Cyms., Sus. Cym.)(*))
  • グレード: 3
  • 演奏時間: 8分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0635)
  • 発売日: 2025/02/06

フィグール・サクソフォン・クヮルテット「宝船奇想曲」

最後に、サックスアンサンブルのCDをご紹介します。サックスアンサンブルとして精力的に活動するフィグール・サクソフォン・クヮルテット。その10周年の記念CDとして2015年の末に販売されました。

福田洋介氏・金山徹氏・啼鵬氏の3人の12曲を収録。中でも福田氏の七福神をモチーフにした「宝船奇想曲」はタイトルになっており、七福神すべてが揃っています。

宝船奇想曲は、第一から第三にそれぞれ順番に作曲されていますが、このCDではそれぞれを一つの曲とし、構成を考えて自由に並べています。コンテストのための音源確認はもちろん、楽しむためのCDとしてもオススメの1枚です。

まとめ

サックスの人あるあるな気がするのですが、「サックスやってます」っていうと8割以上の確率で「カッコイイ!」って言われませんか?その次に「ジャズとか?」と聞かれる・・・。

私自身、小学校からサックスを吹いてきて、このやり取りが繰り返されるたびに<ジャズ吹けないコンプレックス>に苛まれてきました。サックスを吹いている以上、ジャズが吹けないとサックス吹けますって言っちゃダメなんじゃないか的な気持ちになるのです。

せっかく「カッコイイ」って言ってくれた人のご期待に沿えないんじゃないかと感じた結果、「いえいえそんなカッコイイ感じじゃないんです」と返してしまい、なぜ私はクラシックサックスの素晴らしさをちゃんと伝えられないんだ!とダブルで残念な気持ちになってしまうのです。ダメな私・・・

ここで声を大にして言いたい!私はクラシックサックスが大好きだーーー!ふぅ、スッキリ。少々取り乱しました、失礼しました。

クラシックのサックスを聴いてもらうのだけでも少々ハードルが高いのに、邦人のさらにオリジナルなんてマニア過ぎると思われるかもしれませんが、音楽的にも変化に富んで飽きずに楽しんでいただけると思うので、ぜひこの機会に聞いてみてください。

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