7月11日に発売開始となる「はじまりの場所」の作曲家、清水大輔さんのインタビューをお届けします。
2018年海上自衛隊佐世保地方隊創設65周年記念作品として委嘱され、2019年6月1日に開催された昭和ウインド・シンフォニー第20回定期演奏会で再演、コンサートオープナーとしてすでに海外からも注目を集めています。
清水さんのこの作品に対する想いを語っていただきましたので、ぜひご覧ください!
華やかさと厳かさを併せ持つ作品
-海上自衛隊佐世保音楽隊からの委嘱ということですが、具体的な要望などはなにかありましたか?
海上自衛隊佐世保地方隊創設65周年を記念して委嘱を頂き書かせて頂きました。要望としましては「祝典にふさわしい華やかで厳かな4〜5分ほどの作品で」とのことでした。聴いてくださる方が短い演奏時間で、できるだけ印象に残るような作品を目指しました。
-作曲にあたって特にイメージしたことはありましたか?
曲の始まりで華やかなファンファーレをという構想はありましたが、そのあとの展開に苦労したのを覚えています。結果的にエレガントで荘厳な旋律を用いて上品な祝典曲にしようと思いました。
特徴としてフレーズ毎に転調を繰り返す事です。同様のフレーズを用いつつ曲が徐々に高揚してくように最初から終わりまでの調性の予め決めてからフレーズを当てはめました。
-6月には清水さんの母校でもある昭和音大での再演がありましたが、いかがでしたでしょうか?
母校には今まで何度か演奏して頂く機会がありましたが、いつも素晴らしいと思うのは学生の皆さんと講師の先生方の音楽に対する真摯な姿です。私自身卒業生とは言え本当に感動と感銘をいつも受けています。
もちろんコーポロン先生の音楽、特にフレージングや音色へのこだわりを目の前で体験する瞬間は大変エキサイティングであり至福の時間です。
-この曲を演奏する方たちへのメッセージやアドバイスをお願いします。
冒頭での演出から音楽が始まりファンファーレ、荘厳な旋律と流れていく訳ですが、是非その流れの演出、表現を大切にして頂ければと思います。コンサートのオープニンブ作品ですのでこれから始まる演奏会のワクワク感やドキドキ感を感じさせるような演奏にして頂きたいです。
夢を追いかける勇気を与えていきたい
-今後の挑戦したいことなどがあればぜひおしえてください!
イマジネーション(想像力)は私にとって何より大切な音楽の原動力です。演奏して下さる方々、演奏を聴いて下さる方々が、想像し、非日常の瞬間を演出できるような曲を書いていきたいです。
拙作が夢を追いかける方々に少しでも前に進める勇気を与えるようなものになるように今後も最大限力を注ぎたいと思います。
コーポロン氏からのメッセージ
「私は今回この作品を指揮することに大いなる喜びを感じました。
清水大輔さんが書いた『はじまりの場所』は大きなエネルギーを持っていて、コンサートのオープナーとして完璧な作品です。そして観客は本当にその作品を楽しんだようです。この才能豊かな作曲家の音楽を知ることができて心から嬉しく思います。」(ユージーン・ミリアーロ・コーポロン)
“What a great pleasure it was to perform
“The Place of the Beginning” by Daisuke Shimizu. The piece has great energy and is the perfect concert opener. The audience seemed to really enjoy the work. A pleasure to get to know the music of this talented composer.”
Eugene Migliaro Corporon
-清水大輔さん、そしてコーポロン先生、ありがとうございました。次回のタッグも楽しみにしております。
はじまりの場所
清水大輔(しみずだいすけ)
1980年神奈川県生まれ。2002年に昭和音楽大学短期大学部を卒業。作曲を藤原嘉文氏に師事。
サクソフォーン奏者の福本信太郎氏のための書き下ろし作品をはじめ、航空自衛隊中部航空音楽隊、陸上自衛隊東部方面、中部方面、第6、各音楽隊、海上自衛隊東京、横須賀、舞鶴、佐世保、各音楽隊、ヤマハ吹奏楽団浜松、なにわ<オーケストラル>ウィンズ、大阪市音楽団、日生劇場、シエナ・ウィンドオーケストラなど委嘱作品も多数。
アメリカのシカゴで行われるミッドウェスト・クリニック、WASBE(世界吹奏楽協会)、アメリカ、ヨーロッパで自作品が演奏され、近年ではアジア諸国で自作品演奏会の指揮、初演を行う。また今までに自作品集も4枚を数え全国発売されている。
21世紀の吹奏楽“響宴”会員。昭和音楽大学非常勤講師。平成28年度 第49回JBA下谷賞受賞。
吹奏楽を柱とした音楽出版社として2008年に設立いたしました。 「フォスター」という単語には、育てる・育成するといった意味があり、日本の吹奏楽をもっと元気に楽しく発展させていきたいという思いをこめています。みなさまのブラバンコンシェルジュとして、様々な情報を発信していきます。