7月11日に発売となる酒井格氏の「ソナチネ第二番~サクソフォン4重奏のための」をご紹介します。
滝上典彦氏がリーダーをつとめる「クァルテット颯」の委嘱により、2018年3月に作曲され、高山市でレコーディングが行われたのち、2018年7月にクロアチアで開催されたワールドサクソフォンコングレスでのコンサートで世界初演されました。その約1年後の2019年6月のCD発売に合わせ名古屋市のHITOMIホールで日本初演されました。
6月12日に発売となったCDがこちらです。
クァルテット颯(Quartet HAYATE)
- NYCC-13007
- Vesper Records
新進気鋭の田村修平、酒井格の委嘱作品から、倉知竜也、伊藤康英の若き日の情熱的な作品を収録。
クラシックサクソフォーンの黎明期、世界を席巻したフレンチサウンド。その伝統的なサウンドを源流とした輝かしい響きを奏でるクァルテット颯の意欲作。 円熟期にある作曲家、伊藤康英と倉知竜也の若き日の情熱的な四重奏曲を収録。30年の時を超え再プロデュースされ、新たな威光を放つ。 新進気鋭の若き鬼才田村修平の委嘱作品は、独特の世界観で内面を投影する。吹奏楽界で絶大な人気を誇る酒井格の委嘱作品は、チャーミングで愛しい。現代(いま)まさに輝く珠玉の邦人作品集。(メーカーページより)
滝上典彦 サクソフォーン リサイタル
〜Quartet颯 CD発売記念〜 追加公演決定!
日時|2019/7/22(月)19:00〜
会場|ビュッフェ・クランポン・ジャパン
料金| 2000円 限定50席ご予約お早めに!
問合|0356325728(ビュッフェ・クランポン・ジャパン)
<第1部・滝上典彦ソロステージ>
永見怜大 / 夜空のオリオン座馬頭星雲
トーマス・ドス / ピルグリム・コンチェルト
<第2部・Quartet颯ステージ>
酒井格 / ソナチネ第二番 Op.167 委嘱作品,日本初演
倉知竜也 / サクソフォーン四重奏曲第3番「遊戯」
田村修平 / プロメーテウスの夜 委嘱作品,日本初演
Quartet颯
ソプラノ・アルト・サクソフォーン 滝上典彦
ピアノ 周璟悦
アルト・サクソフォーン 竹内沙耶香
テナー・サクソフォーン 中山順次 ※エキストラ
バリトン・サクソフォーン 大貫比佐志
ヒントはラヴェルのソナチネ
颯のリーダーである滝上氏と酒井氏とは、20年以上のお付き合いだそうですが、意外にも新作を初演していただくのは今回が初めてだとのこと。さらに意外なことに酒井氏にとってはじめてのサクソフォン四重奏のための作品ということで、この作品について、酒井氏はこの作品についてこのように語っています。
ソナタ形式による中庸なテンポの第一楽章、同じくソナタ形式(但し展開部を持たない)によるゆったりしたテンポの第二楽章、ロンド・ソナタ形式による快活なテンポの第三楽章という、古典派の伝統的なスタイルで書いたものです。
ロマン派、近代と時代が進むに連れ、音楽のスタイルも変わっていきますが、新しい感覚で、この古典的なスタイルで書かれたモーリス・ラヴェルのソナチネという作品があります。私自身、この作品が大変好きで、今回の創作でもヒントにしたことも多かったので「ソナチネ」と名付けました。余談ですが、ヴァイオリンとチェロのデュエットでも「ソナチネ」という作品をすでに書いているので、この作品は「第二番」としました。
4種類のサクソフォンは、同族楽器でありながら、それぞれの楽器が個性的でもあるように思います。この作品では、それぞれの楽器の魅力を活かすことと、同族楽器ならではの一体的な響きを活かすことを意識しました。
伝統的なフレンチサウンド
配信が開始されてすぐにダウンロード購入をして聞いたのですが、サクソフォン四重奏の古典作品を彷彿とさせるこの曲が、酒井先生の作品だということがにわかに信じられなかったほど。メーカーさんが紹介しているその文面通りの伝統的なフレンチサウンドに驚かされました。しかしながら、聞けば聞くほど酒井先生ならではのチャーミングさに溢れていて、何度でも聞いていたいような魅力溢れる一曲です。ぜひみなさんも颯さんのようなフレンチサウンドを目指して演奏してみてください。
ソナチネ第二番~サクソフォン4重奏のための
ワールドサクソフォンコングレスでの初演
ソナチネ第二番~サクソフォン4重奏のための
- 編成: サクソフォン4重奏(S.Sax. / A.Sax. / T.Sax. / B.Sax. )
- 演奏時間:(CDでの演奏時間)
I. アレグロ 03:56
II. アンダンテ 04:14
III. ヴィヴァーチェ 03:17 - FME-0422 フォスターミュージック
- 関連情報:音楽配信サービスで聞く
酒井格(さかいいたる)
大阪府生まれ。4歳からピアノを習いはじめ、6歳で最初のピアノ作品を作曲。高校時代、吹奏楽部にてフルートおよびピッコロを担当し、在学中よりアンサンブル、吹奏楽のための作品を作曲。大阪音楽大学作曲学科に進学、同大学院を修了。
国体のファンファーレ、奈良県吹奏楽連盟40周年、50周年記念の委嘱作品、そのほか大阪市音楽団、各自衛隊音楽隊など、プロフェッショナルな吹奏楽団から、アマチュアの市民バンドまで数多くの委嘱を受け新作を発表。第81回(平成21年)以降、選抜高校野球大会では入場行進曲の編曲も行う。
第25 回日本管打・吹奏楽アカデミー賞(作編曲部門)受賞。平成23、26、27、28、30 年度、JBA下谷賞受賞。
21世紀の吹奏楽「響宴」会員。大阪音楽大学非常勤講師。
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