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きらきらと情感豊かな音を紡ぐ、酒井格作品 吹奏楽5選

高校のころのお小遣いは、すべて楽譜に消えたという酒井格氏。自分の中にある歌心を人に伝えたいという思いが、作曲の原動力だといいます。

4歳からピアノを学び、6歳でピアノ作品を作曲した酒井格氏。高校生時代には吹奏楽部に在籍し、アンサンブルの作曲やポップスの編曲を行っていたとのこと。当時の酒井格氏の教科書だったのがお気に入りの曲の楽譜。スコアを手に入れ、何度も読み返したそうです。デビュー作「たなばた」はその独学の中から生まれた曲で、高校生のときに書き上げ、大学生のときに楽譜が出版されて以来、今なお愛される人気作へと昇華しました。

平成21年以降の全国選抜高校野球大会では入場行進曲の編曲も担当し、野球ファンからも絶大な支持を得ています。

酒井格氏の曲は、キラキラした光を感じさせる独特の美しさと、ファンタジックな物語性を持つ作品が多くあります。そんな酒井氏の数ある楽曲から5作品をピックアップしてご紹介します。

目次

コキリコ幻想曲

「デデレコデン」という印象的なフレーズを持つ「こきりこ節」からインスピレーションを受け、主題と7つの変奏、そしてコーダから構成されています。各部が異なる楽器やテンポで表現され、曲の進行と感情の変化が探求された1曲。

  • 作編曲: 酒井格
  • 演奏形態: 吹奏楽(33パート)
  • グレード: 3+
  • 演奏時間: 7分45秒
  • 出版: フォスターミュージック(FML-0329)
  • 発売日: 2023/11/09

大草原の円舞曲

玉名女子高等学校&フォスターミュージック株式会社共同委嘱作品で2017年にリリースされました。

委嘱の玉名女子高校が熊本にあるため、以前訪れた阿蘇山の麓にある草千里をイメージ。清々しさを感じさせる緑の大地を、ワルツに託して表現しました。作曲の途中に熊本地震が起こり、熊本の一日も早い復興と、再び美しい景色に出会えることを願って作曲が進められました。

リズムを楽しみながら、火山独特の地形に広がる清々しい景色を思い浮かべ、情感豊かに演奏してください。

  • 作編曲: 酒井格
  • 演奏形態: 吹奏楽(35パート)
  • グレード: 5
  • 演奏時間: 8分9秒
  • 出版: フォスターミュージック(FML-0190)
  • 発売日: 2017/02/22

たなばた

世界中で演奏されている、酒井格氏のデビュー曲。吹奏楽ファンなら演奏したことはなくても聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?当時、高校の吹奏楽部に所属していた酒井氏が親しんだ数多くの作品に影響を受けて書かれた作品とのこと。

軽やかにやわらかく、穏やかにやさしく、力強く華やかに、ストーリーを語るようにメロディーが移り変わります。星のきらめきを感じさせるファンタジックな作品です。

  • 作編曲: 酒井格
  • 演奏形態: 吹奏楽(35パート)
  • グレード: 5
  • 演奏時間: 8分35秒
  • 出版: De Haske Publishing(DHP 0920450-010)

森の贈り物

作品紹介の中で、「『森が長い年月をかけて作り出してくれたもの。私たちがどれほど森の恵みを受けてきているのだろう』とイメージが広がっていき、この作品が生まれました」と記しています。

クラリネットソロで始まり、穏やかな森が描かれた後、行進曲で嵐の中の森が表現されます。再び光と命に満ちあふれる森が戻ってフィナーレへ。指揮者のセンスも問われる本作、幻想的で瑞々しいの森の風景を音楽で表現してください。

  • 作編曲: 酒井格
  • 演奏形態: 吹奏楽(38パート)
  • グレード: 5
  • 演奏時間: 6分52秒
  • 出版: De Haske Publishing(DHP 1043665-010)

アイ・ラブ・ザ・207

タイトルの207とは、京田辺市を通る勤電車、片町線の主力車両である207系の愛称です。

委嘱元である大住シンフォニックバンドが練習する建物のすぐ隣を走る 207系の列車が、初演のちょうど5年前の2005年4月25日に起きた悲しい出来事を二度と繰り返すことなく走り続け、たくさんの人たちの笑顔と夢を乗せて走り続ける事を願って作曲された愛らしい作品です。

  • 作編曲: 酒井格
  • 演奏形態: 吹奏楽(36パート)
  • グレード: 4
  • 演奏時間: 5分0秒
  • 出版: De Haske Publishing(DHP 1125251-010)
  • 発売日: 2012

〈CD〉酒井格作品集:湖の畔で

不動の人気を誇る「たなばた」や「おおみそか」から新作の「剱の光」まで全10作品をピックアップ。

タイトル作の「湖の畔で」は2002年龍谷大学学友会学術文化局吹奏楽部サマーコンサートにおいての委嘱作品。悪党イエッセー、王女ユジュマーユ、青年イノーヴェ、湖の精霊ケイの4人が繰り広げる切ない恋物語を描いたドラマティック感溢れる作品です。

その他、オープニングとして最適な「若草山のファンファーレ」も収録。選曲用として、愛聴盤としてオススメの好アルバム。国内外を問わず人気の高い酒井格の作品の魅力溢れる作品集に仕上がっています。

歌うように演奏したい酒井格作品

いざ演奏するとなると、デリケートなハーモニーやお洒落な転調、変拍子などに手こずるバンドも多いようですが、“一音一音を追いかけるのではなく、歌ってその音楽の美しさをまず感じてほしい”と自身が語っています。同時に、指揮者が楽譜をもとにどのような演奏をするかをイメージするのが大切とも。
楽譜に詰めた思いや背景をどのようなに具現化いくかは腕の見せどころ。自分たちのバンドにしか出せないサウンドで、酒井作品を楽しんでください。

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