カスタネット、ベルなど楽器本体を打つなどして音を出す体鳴楽器、 マリンバ、シロフォンなどピアノの鍵盤と同じく音板が並ぶ鍵盤打楽器、ドラム、ティンパニなど皮膜叩いてならす膜鳴楽器、ホイッスルなどのように吹いて音を出す気鳴楽器と打楽器奏者が担当する楽器は多種多様。素材も金属、木、皮革など多岐にわたり、無限の表現が叶うのが打楽器アンサンブル最大の特徴と言えるでしょう。しかし、選択肢が多い分、その選曲にも困難を極めるのが打楽器アンサンブルの難しさとも言えるかもしれません。
今回は鍵盤楽器を使わない打楽器アンサンブルだけを集めてご紹介します。
ケルベロス・ドラムス|加藤大輝(3Players)
楽器をひとかたまりに並べて3人で演奏するスタイルで、視覚的にも面白いく、さまざまな音色が重ねられているので演奏効果は高いが、基本的なリズムで演奏可能という、打楽器奏者である加藤大輝氏ならではの作品。
基礎練習で使われるパターンを盛り込んであるので、初級~中級者のパート練習の教材としても最適です。
- 作曲: 加藤大輝
- 演奏形態: 打楽器3重奏(楽器は全て共有)
Splash Cym. or Small Sus. Cym./Bongo/Conga/S.D./2 Tom-toms + Floor Tom/B.D. - グレード: 3+
- 演奏時間: 4分0秒
- ENMS-84399(ブレーンミュージック)
- 収録:パーカッションアンサンブル「青雷」ブレーン・アンサンブル・コレクション vol.25
- 発売日: 2014/07/25
スライドホイッスル三重奏曲|山本哲也(3Players)
スライドホイッスルだけのアンサンブルという世にも珍しい1曲。これを管楽器アンサンブルとするか打楽器アンサンブルとするかは難しいところですが、打楽器奏者が担当することが多いため打楽器アンサンブルとしてご紹介します。
主題を何度も挟みながら進行するリトルネッロ形式の展開で進行し、全体を通して絶対音ではなく相対音によって書かれていますが、最後にだけ絶対音による「オチ」が用意されています。
楽器の個体差が大きいため、使用楽器の選択も重要ですが、3本とも同じ種類の楽器を使用するか、3本とも違う種類の楽器を使用するかのいずれかが推奨されています。
本人の演奏によるYouTubeにもご注目!
カップリングとして1分程のスライドホイッスル二重奏のための「カプリチオ」も同梱しております。
- 作曲: 山本哲也
- 演奏形態: 打楽器3重奏
3 Slide Whistles - グレード: 5
- 演奏時間: 5分0秒
- FME-0437(フォスターミュージック)
- 発売日: 2019/08/21
NAGAMASA(ナガマサ)|久保太郎(4Players)
カナダのヴィクトリア交響楽団で活躍するMasako Hockey氏率いる打楽器アンサンブルグループ「打響」の委嘱で作曲され、1998年に初演されました。
NAGAMASAとは、1612年にシャム(現在のタイ)に渡りアユタヤ王国の高官にまでなった日本人山田長政のことで、当時のシャムの情景や長政率いる日本人傭兵の姿を描いており、南国的なリズムやサウンドと和太鼓的なリズムのコントラストが面白い作品です。
不足楽器については現状に則して楽譜での指定とは異なる楽器を導入してもよいとされています。
- 作曲: 久保太郎
- 演奏形態: 打楽器4重奏
- Sus. Cym./4 Suribachi/Tam-tam/5 Temple Blocks
- Tam-tam/Conga/2 S.D./Metal Pipe/Sus. Cym.
- Timp./Sus. Cym./Metal Pipe/3 Toms/2 Wood Blocks
- Timpani
- 演奏時間: 6分0秒
- FME-0502(フォスターミュージック)
- 発売日: 2021/09/16
スピリタス!|ジャレッド・スピアーズ(5Players)
ドラムの金属の縁、ティンパニのボウル、譜面台のシャフト、そしてスネアドラムのヘッドを手で叩くことによって生まれる様々な色を表現しています。グレード3が設定されており、初中級の奏者にも取り組みやすいアンサンブル作品です。
スコアサンプルも参考にしてください。
- 作曲: ジャレッド・スピアーズ
- 演奏形態: 打楽器5重奏
- 4 Tom-Toms
- Snare Drum
- Bass Drum/Tambourine
- Sus. Cymbal/Triangle
- Timpani
- グレード: 3
- 演奏時間: 3分0秒
- 19988(Kendor Music Inc)
- 関連情報:スコアサンプル
JJJ 2nd(スリージェイ・セカンド)|清水優(6Players)
「日本人によるジャングルをイメージしたジャムセッション」をコンセプトにした作品で、アフリカ系の打楽器を使用するよう指定がされていますが「あくまでも参考、全ては奏者の自由」と作者の清水氏は語っています。
周りにある打楽器を使いながら、コンセプトを意識して曲を組み立てていくのがこの曲の醍醐味。プレイヤー同士がステージ上でコミュニケーションを楽しみながら、思わず作曲者がうなるような斬新なJJJのパフォーマンスを作り上げてください。
- 作曲: 清水優
- 演奏形態: 打楽器6重奏
- High pitch drum 1(Djembe/Bongo/Conga, etc.)
- High pitch drum 2(Sabar/Djembe/Conga, etc.)
- Low pitch drum(Doum doum/Floor tom, etc.)Bell(Doum doumbell/Cowbell, etc.)
- Sus.Cym. on floor/Claves
- Two sound bell(African bell/Agogo/Cowbell, etc.)
- Two shaker(Caxixi/Maracas/Shaker, etc.)
- グレード: 3
- 演奏時間: 5分0秒
- ENMS-84401(ブレーンミュージック)
- 収録:パーカッションアンサンブル「青雷」ブレーン・アンサンブル・コレクション vol.25
- 発売日: 2014/07/25
吹奏楽を柱とした音楽出版社として2008年に設立いたしました。 「フォスター」という単語には、育てる・育成するといった意味があり、日本の吹奏楽をもっと元気に楽しく発展させていきたいという思いをこめています。みなさまのブラバンコンシェルジュとして、様々な情報を発信していきます。