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髙嶋圭子トロンボーン楽譜特集|ソロ・重奏おすすめ曲と演奏動画

髙嶋圭子トロンボーン作品特集

髙嶋圭子(たかしま けいこ)は、日本のクラシック音楽界で活躍する作曲家・編曲家です。

トロンボーンをはじめとする管楽器アンサンブルの分野で数多くの魅力的な作品を生み出しており、一般の音楽愛好家からプロ奏者、音大生に至るまで幅広い層から注目を集めています。特にトロンボーン作品は、プロアマ問わず絶大な人気を誇り、演奏会でもしばしば取り上げられています。

髙嶋圭子が描くトロンボーン作品の魅力を深く掘り下げてみましょう。

目次

作曲者・髙嶋圭子プロフィール

香川県生まれ、広島県育ち。4歳からピアノを始め、高校生の頃より和声学や作曲理論を学びました。

東京藝術大学音楽学部作曲科を卒業後、トロンボーンとの出会いが大きな転機となります。1987年、世界的に有名なパリ・トロンボーン四重奏団(Quatuor de Trombones de Paris)の初来日公演でアンコール曲として日本の童謡「夕やけこやけ」や「わらべうた」を提供したことをきっかけに、トロンボーン作品を多く手掛けるようになり、それ以降、トロンボーン四重奏を中心に多数の作品を発表しています。

作品は、日本の情景や童謡のモチーフを巧みに取り入れつつ、トロンボーンアンサンブルの魅力を最大限に引き出す点に特徴があります。トロンボーン四重奏団ジパングのレジデンスコンポーザーや、トロンボーンカルテットTINTSのエグゼクティブアドバイザーも務め、教育者・講師としても精力的に活動し、こうした背景から生まれた高嶋圭子の作品群は、トロンボーン愛好家にとって貴重なレパートリーとなっています。

髙嶋圭子・最新刊

無言館にて〜トロンボーンカルテットのための

長野県上田市にある戦没画学生慰霊美術館「無言館」。高嶋圭子がその場で受けた深い感銘を音楽に託したのが、このトロンボーン四重奏曲《無言館にて》です。

全3楽章から成り、「無言の叫び」「若き兵士の夢」「明日への祈り」と副題が付されています。館内に残された若き画学生たちの遺作や遺品に触れ、作曲者が感じ取った“声なき声”が、重厚でありながら透明感のあるトロンボーンの響きによって描き出されています。

初演はトロンボーン・クァルテット・ジパングによる2017年の演奏。14分にわたるスケールは演奏会プログラムの柱となる作品であり、深いテーマ性は聴き手に強い印象を残すでしょう。音楽を通して平和の尊さを問いかける一曲として、コンサートや記念演奏会にふさわしい作品です。

  • 作編曲: 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーン4重奏(Trb. 1/Trb. 2/Trb. 3/Bs.Trb. )
  • グレード: 4+
  • 演奏時間: 14分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0636)
  • 発売日: 2025/05/22

トロンボーンソロ作品

メモリーズ

もともとは1997年、パリ・トロンボーン四重奏団の来日公演のために書かれた四重奏曲《メモリーズ》。その後、パリ・トロを敬愛する荻野昇氏のリサイタル(1999年)での初演に向けてソロ版へと編曲され、今日まで多くの奏者に愛されてきました。

全体は「バラード」「タンゴ」「レクイエム」「フィナーレ」の4つの部分から成り、トロンボーンとピアノが豊かなコントラストを描き出します。とりわけ第3部「レクイエム」は、ハラヤミュージック創設者・原谷晴夫氏への感謝を込めた楽章で、鎮魂歌でありながら温かさと深い感謝に満ちています。最後の「フィナーレ」では主題がさまざまに変容し、堂々としたコーダで締めくくられます。

題名の通り「思い出」が詰まった作品は、演奏者自身の歩みや出会いを重ね合わせることで、より深い表現へとつながるでしょう。リストの表現力を存分に発揮できる一曲です。

  • 作編曲: 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーンソロ(Trb./Pf. )
  • 演奏時間: 8分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0364)
  • 発売日: 2017/06/22

夜の静寂に

2001年、トロンボーン奏者・荻野昇氏のリサイタルのために書かれ、その後2011年の再演に際して大きく改訂された作品《夜の静寂に》。高嶋圭子が長い年月をかけて完成させたソロ曲です。

冒頭はトロンボーンのベルをピアノ内部に向けて吹き込み、共鳴音から音楽が始まるという実験的な仕掛け。やがて夜が深まり、街の灯りが消え、静寂の中から遠い音が浮かび上がるように旋律が広がっていきます。無限に広がる宇宙を想起させる響きは、柔らかで奥行きのあるトロンボーンの音色と溶け合い、聴く者を幻想的な世界へ誘います。

  • 作編曲: 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーンソロ(Trb./Pf. )
  • 演奏時間: 8分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0363)
  • 発売日: 2017/06/22

トロンボーンとピアノのためのソナタ「風花賛礼」〈改訂版〉

2010年、トロンボーン奏者・吉川武典氏の委嘱により誕生した《風花賛礼》。「平易なものにせず、演奏しがいのある作品を」とのリクエストに応え、全4楽章からなるソナタとして書き上げられた力作です。

改訂版の制作にあたっては、再演を経て得られた気づきや、吉川氏からの助言が反映されています。テンポ、ダイナミクス、アーティキュレーションまで細やかに見直され、より完成度の高いスコアへと進化しました。

第1楽章は堂々とした主題で幕を開け、第2楽章「Nostalgia」では望郷の思いが深々と歌われます。第3楽章「Serenade」はチェロを思わせる滑らかな旋律が特徴。終楽章は推進力あるリズムで駆け抜け、コーダでは第1主題が再び姿を現し、朗々と高らかに結ばれます。

ピアノはオーケストラのトゥッティのような厚みから室内楽的な繊細さまで幅広い表情を担い、トロンボーンを力強く支えます。演奏時間を通して、奏者と聴衆の心に「風花」──人と人との出会いがもたらす花──が咲くことを願って書かれた作品です。

リサイタルやコンクールの大曲としてふさわしい一作。ソリストとしての表現力を磨きたい方にぜひ挑戦していただきたい作品です。

  • 作編曲: 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーンソロ(Trb./Pf. )
  • グレード: 5
  • 演奏時間: 17分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0313)
  • 発売日: 2023/05/24

古都三景 – トロンボーンとピアノのための

日本の古都・鎌倉、奈良、京都をテーマに描いた3つの情景をトロンボーンとピアノで奏でる組曲《古都三景》。もとは2007年にトロンボーン・クァルテット・ジパングのために書かれた作品で、のちに「ソロ版があったら面白いのでは」という演奏者の声から、ピアノ伴奏付きのソロ用に編曲されました。

第1曲「鎌倉」では“あじさい寺”として名高い明月院の紫陽花が雨に濡れて咲き誇る様を、第2曲「奈良」では東大寺の大仏開眼供養の荘厳な瞬間を、第3曲「京都」では夕日に照らされ黄金色に輝く金閣寺を、それぞれ音楽で表現しています。

カルテット版とは異なり、ピアノとトロンボーンが対話する構造が新鮮で、独奏曲としての存在感も抜群。コンサートやコンクールの自由曲としても華やかに映える一曲です。

  • 作編曲: 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーンソロ(Trb./Pf. )
  • グレード: 5
  • 演奏時間: 12分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0280)
  • 発売日: 2015/03/05

シャコンヌ〜トロンボーンソロとピアノのための:バッハ, J.S. arr. 高嶋圭子

バッハの無伴奏ヴァイオリンのための名曲《シャコンヌ》を、トロンボーンとピアノのために編曲した作品。もとはブラームスが「左手のためのピアノ編曲」を手がけたことで広く知られていますが、本版ではその響きを土台にしながら、トロンボーンならではの歌心と重厚な表現力が引き出されています。

編曲のきっかけは、トロンボーン奏者・吉川武典氏が若い頃から「いつかこの曲をトロンボーンで演奏したい」と願っていた想いにあります。2015年、共演者であるピアニスト三輪郁氏がリサイタルでブラームス編を演奏したことを契機に、高嶋圭子がアレンジを担当し、2018年の吉川氏リサイタルで初演されました。

演奏時間は約15分。持久力と集中力を求められる大曲ですが、音楽的・精神的な高みを追求できる貴重なレパートリーです。なお、省略指定を用いれば約11分に短縮することも可能で、演奏機会に応じた柔軟な選択ができます。

トロンボーン奏者にとって挑戦的かつ特別な作品。バッハとブラームスの遺産を踏まえながら、自らの音楽を重ねていく体験は、ソリストとして大きな成長につながるでしょう。

  • 作編曲: バッハ, J.S. arr. 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーンソロ(Trb./Pf. )
  • グレード: 5
  • 演奏時間: 15分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0402)
  • 発売日: 2019/02/06

赤とんぼ – トロンボーンソロとピアノのための:山田耕筰 arr. 高嶋圭子

1998年、荻野昇氏のCD《カクテル・トロンボーン》収録のために書き下ろされ、のちに多くのリスナーから温かい反響を呼んだアレンジです。

原曲は三木露風の詩、山田耕筰の旋律による日本を代表する唱歌。その叙情的なメロディーを、トロンボーンの豊かな音色で丁寧に歌い上げることで、さらに深い味わいが加わります。ピアノ伴奏との溶け合いも美しく、シンプルながら心に響くアンサンブルが楽しめるでしょう。

アンコールや、コンサートプログラムの小品としても好適。世代を超えて愛される日本のメロディーを、トロンボーンで表現できる珠玉の一曲です。

  • 作編曲: 山田耕筰 arr. 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーンソロ(Trb. 1/Pf. )
  • 演奏時間: 3分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0366)
  • 発売日: 2017/08/09

トロンボーン二重奏

春の呼ぶ声を聞く~テナートロンボーン デュオ版

2011年の東日本大震災をきっかけに生まれた《春の呼ぶ声を聞く》。もとは篠崎卓美氏・黒金寛之氏(バストロンボーン)とピアニスト城綾乃氏によるチャリティーコンサートのために書かれた作品で、その後、吉川武典氏のアルバム「トロンボネッタ」に収録されたテナートロンボーン版が出版されました。

全3曲からなる組曲は「夜明け」「風」「桜 ―三春滝桜に寄せて―」で構成され、希望の光、季節の移ろい、そして震災直後も満開に咲いた福島の滝桜が象徴する復興への祈りを音楽に託しています。

時に力強く、時に繊細に、被災地への思いと未来への希望を描き出す本作は、演奏会や記念公演で強いメッセージを届ける一曲となるでしょう。

  • 作編曲: 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーン2重奏(Trb. 1/Trb. 2/Pf. )
  • 演奏時間: 16分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0281)
  • 発売日: 2015/03/05

三春ふたたび〜トロンボーンデュオとピアノのための

2011年3月の東日本大震災を背景に生まれたトロンボーン作品《春の呼ぶ声を聞く》。その続編ともいえるのが、この《三春ふたたび》です。

福島県いわき市出身の篠崎卓美氏と黒金寛之氏、そしてピアニスト城綾乃氏によるチャリティーコンサートの活動を経て、2014年春に同メンバーのために作曲されました。題名の「三春」とは、日本三大桜のひとつ三春滝桜のこと。震災直後に冷え切った心を照らしたその花は、作曲者にとって希望の象徴でした。

「震災を、被災地を、そして『三春』をもう一度思い起こしてほしい」との願いが込められたデュオ作品は、深い祈りと力強い希望が交錯する音楽となっています。トロンボーンの重厚な響きとピアノの繊細な彩りが織りなすアンサンブルは、聴衆の心に強く響くことでしょう。

  • 作編曲: 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーン2重奏(Bs.Trb. 1/Bs.Trb. 2/T.Trb. 1*/T.Trb. 2*/Pf. )
  • 演奏時間: 5分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0365)
  • 発売日: 2017/08/09

トロンボーン四重奏

竹取物語〜トロンボーンカルテットための組曲

日本最古の物語「竹取物語」を題材に、かぐや姫の美しくも切ない人生を5つの場面で描いたトロンボーン四重奏曲。Trombone Quartet TINTSの10周年記念公演のために委嘱され、2013年に初演されました。

冒頭「光る竹」では幻想的な響きで物語の幕が上がり、「竹取の翁」では愛おしい娘を想うせつない旋律がバストロンボーンに託されます。「五人の求婚者」ではユーモラスな場面がリズミカルに展開し、「姫と帝」では和歌を交わす二人の心情が音楽で表現されます。終曲「月の世界へ」では、満月の夜に月へと帰っていく姫を荘厳で哀切な音楽で締めくくります。

雅やかな響きと豊かな情感を持つ本作は、物語性のあるステージを演出できるレパートリーとしておすすめ。演奏者・聴衆ともに日本文学の世界観を共有できる、特別な一曲です。

  • 作編曲: 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーン4重奏(Trb. 1/Trb. 2/Trb. 3/Bs.Trb. )
  • グレード: 4+
  • 演奏時間: 10分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0606)
  • 発売日: 2024/07/18

ふるさとのうた~4本のトロンボーンのための

日本の四季を童謡・唱歌で紡いだ、親しみやすくも味わい深いトロンボーン四重奏曲。原曲は2004年にパリのミリエール・トロンボーン四重奏団のために書かれた《FURUSATO》ですが、2011年、鳥取県で活動するアンサンブルSHADEのために新たに《ふるさとのうた》として生まれ変わりました。

冒頭の「ふるさと」(高野辰之作詞・岡野貞一作曲)のモティーフから始まり、春「春が来た」、夏「海」、秋「村まつり」、冬「冬景色」と日本の四季折々の唱歌が次々と登場。最後は再び「ふるさと」のモティーフが変奏され、温かく懐かしい響きの中で幕を閉じます。

世代を問わず耳に馴染んだ旋律を、トロンボーンの豊かなハーモニーで味わえる一曲。コンサートや地域イベントにも最適な、観客との距離を近づけてくれるレパートリーです。

  • 作編曲: 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーン4重奏(Trb. 1/Trb. 2/Trb. 3/Bs.Trb. )
  • グレード: 4
  • 演奏時間: 5分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0310)
  • 発売日: 2015/11/19

ハナミズキの祈り〈改訂版〉

東日本大震災で最愛の息子を失った一人の母の思いをもとに生まれた、祈りの音楽。絵本『ハナミズキのみち』や、その原点となった手記「ハナミズキの願い」との出会いをきっかけに、高嶋圭子がトロンボーン四重奏として書き上げました。

作品の背景には、津波で帰らぬ人となった青年の「避難の目じるしにハナミズキを植えて」という夢があり、その思いを胸に前を向いて歩き出した母の姿があります。音楽は、喪失の悲しみと、それでも生き抜こうとする希望を深く映し出します。

初演は2014年、トロンボーン・クァルテット・ジパングによる定期演奏会。トロンボーンの柔らかで深い響きが重なり合い、聴く人の心に静かに寄り添う作品です。震災を忘れず、未来へ祈りをつなぐ一曲として、多くの場で演奏されることを願っています。

  • 作編曲: 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーン4重奏(Trb. 1/Trb. 2/Trb. 3/Bs.Trb./Perc. (* 2楽章のみ) )
  • グレード: 4
  • 演奏時間: 14分50秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0309)
  • 発売日: 2015/11/19

スクエアダンス

もとはパリ・トロンボーン四重奏団の来日公演のために書かれ、その後Trombone Quartet “TINTS”との出会いを経て改訂された作品。2010年、杉並公会堂で再改訂版が初演され、ようやく完成形へと到達しました。

タイトルの「スクエアダンス」とはアメリカのフォークダンスに由来し、四組が四角形を作って踊るスタイルを表します。本作では4人のトロンボーン奏者が四隅に立ち、まるで舞うように音楽を交わすイメージが込められています。

軽快でリズミカルな音楽は、世代やジャンルを超えて親しみやすく、聴衆を惹き込む一曲。トロンボーン四重奏の華やかさと機動力を味わえるレパートリーとして、コンサートやアンサンブルコンテストにおすすめです。

  • 作編曲: 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーン4重奏(Trb. 1/Trb. 2/Trb. 3/Bs.Trb./Perc.* )
  • グレード: 3+
  • 演奏時間: 4分20秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0307)
  • 発売日: 2015/11/19

パスピエ〜4本のトロンボーンのための

1987年、パリ・トロンボーン四重奏団の初来日公演は、日本の聴衆に強烈な衝撃を与えました。その圧倒的な技術と美しい響きに触れた高嶋圭子が、「次の来日に新作を」と約束して書き上げたのが、この《パスピエ》です。

タイトルは17世紀フランス宮廷舞曲に由来しますが、本作はその形式にとらわれず、自由な発想で生まれました。穏やかな序奏に続き、軽快で跳躍感あふれる主題が展開。トロンボーンの持つ滑らかな旋律美と機敏な動きを存分に引き出し、明るく華やかな響きで聴衆を魅了します。

1989年の再来日でパリトロ自身が披露し、作曲者の不安を一瞬で吹き飛ばしたというエピソードも印象的。まさにトロンボーンの新しい可能性を切り拓いた一曲として、今もなお多くのアンサンブルに演奏されています。

  • 作編曲: 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーン4重奏(Trb. 1/Trb. 2/Trb. 3/Bs.Trb. )
  • グレード: 4+
  • 演奏時間: 4分20秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0305)
  • 発売日: 2015/07/29

出逢いは、はじまり

女性だけで構成されたトロンボーン四重奏団“TINTS”のCD《スクエアダンス》発売記念コンサート(2011年)のために書き下ろされたオープニング曲。メンバー4人が武蔵野音楽大学と洗足学園大学で出会った日々を音楽で表現した作品です。

作曲者とTINTSの出会いは、彼女たちが第2回トロンボーンクァルテット・コンクール in ジパングで優勝した2007年。その後、繊細かつパワフルな演奏で成長を重ね、2010年には名手ミシェル・ベッケ氏との共演も実現しました。本作には、そうした出会いと広がっていく音楽の縁への感謝が込められています。

華やかで前向きなサウンドは、コンサートの幕開けにふさわしい一曲。アンサンブルの結束を高め、聴衆に希望を届けるステージ作りにおすすめです。

  • 作編曲: 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーン4重奏(Trb. 1/Trb. 2/Trb. 3/Bs.Trb. )
  • グレード: 3+
  • 演奏時間: 2分20秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0303)
  • 発売日: 2015/07/29

トロンボーン四重奏のための組曲「砂の丘を越えて」

鳥取を拠点に活動するアンサンブルSHADEの委嘱により2012年に作曲され、翌年のリサイタルで初演された5楽章からなる組曲。鳥取の雄大な自然に触れた作曲者が、その旅の記憶を音楽に刻みました。

序章ではファンファーレ風の音楽が旅の始まりを告げ、続く「向日葵笑ふ」では大山のふもとに広がるひまわり畑の明るさを描写。「白うさぎのうた」は神話“因幡の白兎”に着想を得て、愛らしくユーモラスな一曲に仕上げられています。「海の碧」では浦富海岸の深い碧色の海を音楽で映し出し、終曲「砂の丘を越えて」では壮大な鳥取砂丘とその先に広がる日本海の風景が力強く描かれます。

自然の情景美と生命力を讃えるこの作品は、演奏者にも聴衆にも鮮やかなイメージを呼び起こすプログラムピース。アンサンブルコンテストはもちろん、演奏会のハイライトとしてもおすすめです。

  • 作編曲: 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーン4重奏(Trb. 1/Trb. 2/Trb. 3/Bs.Trb. )
  • 演奏時間: 11分40秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0282)
  • 発売日: 2015/03/05

四季の詩: arr. 高嶋圭子

日本の唱歌や童謡16曲をトロンボーン四重奏に編曲した《四季の詩》。東京トロンボーン四重奏団の委嘱により誕生し、のちにジパングの定期演奏会で再演される際に改訂版として完成しました。

「さくら」に始まり、「春の小川」「茶つみ」「村祭り」「赤とんぼ」「雪」など、誰もが耳にしたことのある名曲が次々と登場し、日本の四季を音楽でめぐります。春・夏・秋冬という3つのパートで構成され、全体を通じて約13分の演奏時間。季節の移ろいを感じさせる構成は、プログラムの一幕としても聴衆に親しみやすく響きます。

唱歌に触れる機会が少なくなった今だからこそ、懐かしくも新鮮に響く作品。世代を超えて楽しめる選曲で、コンサートや学校・地域のイベントにもおすすめの一曲です。

  • 作編曲:  arr. 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーン4重奏(Trb. 1/Trb. 2/Trb. 3/Bs.Trb. )
  • 演奏時間: 13分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0384)
  • 発売日: 2017/12/14

カロ・ミオ・ベン〜4本のトロンボーンとピアノのための:トンマーゾ・ジョルダーニ arr. 高嶋圭子

イタリア歌曲として広く愛される《カロ・ミオ・ベン(いとしいひとよ)》を、トロンボーン4重奏とピアノのために編曲しました。柔らかく温かなトロンボーンの響きに、美しい旋律が自然に溶け込みます。

2016年、日暮里サニーホールで開催された〈東日本大震災復興支援 講演とコンサート「震災と音楽、復興と演奏」〉にて、トロンボーン カルテット ティンツと高嶋圭子(Pf)によって初演されました。

「いとしいひと」は恋人に限らず、家族や友人、仲間など、私たちが当たり前のようにそばにいる存在にも重ねられます。震災を通して“かけがえのない人の存在”を見つめ直すきっかけともなった本作品は、演奏する人にも聴く人にも強いメッセージを届けるでしょう。

  • 作編曲: トンマーゾ・ジョルダーニ arr. 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーン4重奏(Trb. 1/Trb. 2/Trb. 3/Bs.Trb./Pf. )
  • グレード: 3
  • 演奏時間: 2分30秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0345)
  • 発売日: 2016/11/22

夕やけこやけ~わらべうた: arr. 高嶋圭子

1987年、“パリ・トロンボーン四重奏団”の初来日を機に編曲された作品。童謡《夕やけこやけ》、そして「ずいずいずっころばし」「うさぎとかめ」「うさぎうさぎ」「うさぎのダンス」の4曲を組み合わせた《わらべうた》メドレーから成ります。

当時コンサートのアンコールでも取り上げられ、来日記念CDにも収録されたこの作品は、柔らかく温もりあるサウンドと金管特有の華やかさを兼ね備えています。日本人にとって馴染み深い旋律を、トロンボーンならではの豊かな響きで楽しめる一曲です。

  • 作編曲:  arr. 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーン4重奏(Trb. 1/Trb. 2/Trb. 3/Bs.Trb. )
  • グレード: 3+
  • 演奏時間: 3分45秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0343)
  • 発売日: 2016/11/22

「インヴェンション」より 第1番、第13番:バッハ, J.S. arr. 高嶋圭子

2013年、トロンボーン カルテット TINTSの10周年記念公演のために編曲された作品。J.S.バッハの鍵盤曲《インヴェンション》から第1番と第13番をトロンボーン四重奏に移しました。

2声体で書かれた原曲は、重厚な響きを持つトロンボーンならではのアンサンブル効果によって新たな魅力を放ちます。ピアノ学習者にはおなじみの曲を、アンサンブルのレパートリーとして楽しめる好編曲です。

  • 作編曲: バッハ, J.S. arr. 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーン4重奏(Trb. 1/Trb. 2/Trb. 3/Bs.Trb. )
  • グレード: 3+
  • 演奏時間: 5分0秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0306)
  • 発売日: 2015/11/19

トロンボーン八重奏

コラールとパッサカリア〜8人のトロンボニストのための

東邦音楽大学トロンボーン科の吉川武典氏の委嘱により誕生した大編成アンサンブル作品。2023年に「コラール」が初演され、翌年「パッサカリア」が加えられ、2024年に全曲版として披露されました。

「コラール」は荘厳で豊かな響きが重なり合い、トロンボーンの持つ柔らかさと深みを前面に。「パッサカリア」では5拍子を基調とした独自の展開が繰り広げられ、力強さとしなやかさを兼ね備えた音楽世界が広がります。

一般的に“大音量”のイメージが強いトロンボーンですが、本作では表情豊かな弱音や多彩な音色の魅力が余すところなく描かれています。8人のトロンボニストが織りなす重厚かつ無限のサウンドの広がりをぜひ体感してください。

  • 作編曲: 高嶋圭子
  • 演奏形態: トロンボーン8重奏(Trb. 1/Trb. 2/Trb. 3/Trb. 4 (Bass)/Trb. 5/Trb. 6/Trb. 7/Trb. 8 (Bass))
  • 演奏時間: 7分30秒
  • 出版: フォスターミュージック(FME-0605)
  • 発売日: 2024/05/22
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