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作編曲家 樽屋雅徳インタビュー 『ちはやふる』

今回は作編曲家の樽屋雅徳(たるや まさのり)氏のインタビューをお届けします。
平安時代の歌人、在原業平(ありわらのなりひら)の切ない恋物語をもとに作曲した『ちはやふる』。
作品への想いはもちろん、樽屋先生の作編曲家としての想いなども伺いましたのでぜひご覧ください!

目次

行き場のない気持ちや切ない思いを表現した『ちはやふる』

―『ちはやふる』は一言で表すとどのような作品ですか?
この曲は、在原業平(ありわらのなりひら)の恋物語をもとに作曲しました。
在原業平は平安時代を代表する歌人で、現代では百人一首で有名な「千早ぶる神代もきかず龍田川 からくれなゐに水くくるとは」の句がよく知られていますよね。タイトルもここから名付けています。
『ちはやふる』は、枕詞で「いち=激い勢いで」「はや=敏捷  に」「ぶる=ふるまう」という言葉を縮めたものです。

―作曲の際に意識したことなどはありますか?
はい。歌心満載で奏でられるメロディと、小編成でも豪華に聴こえたり、豊かなサウンドになるよう心がけました。
樽屋雅徳『ちはやふる』
―作品に込めれられた想いなどがあればおしえてください。
在原業平のこの物語は叶わずして終わった恋なので、その行き場のない気持ちや切ない想いを表現できるよう、メロディにこだわりました。

―この曲を演奏する方たちへのメッセージやアドバイスをお願いします。
そんな、行き場のない切ない在原業平の想いや藤原氏の姫君・高子の想いを想像して、それをメロディにのせ歌心満載で恋物語を表現していただけたらと思います。

紙に書いた音符が「音」になった時の感動

―樽屋先生の吹奏楽との出会いはいつですか?
ピアノは小さい頃から習っていて音楽は好きだったのですが、中学に入学した時はまさかの水泳部に入ろうと思っていました。仲の良かった友達に誘われてたまたま吹奏楽部を見学に行ったのが最初です!
その時は全く興味なかったのですがすっかり魅了されてしまいました!
作曲は高校卒業後、母校の吹奏楽部のために書いたのが最初の作品です。

―作家としての喜びを感じるときはどんなときですか?
楽譜に書いただけではただの紙切れですが、それを演奏家によって「音」にしていただけた時一番感動します。
樽屋先生の吹奏楽との出会い

―反対に辛いと感じるときはどんなときですか?
なかなか自分の気に入る良い発想ができず行き詰まった時がかなり辛いです。

―最後に、このサイトを見ている方へのメッセージをお願いいたします。
もっともっと、聴いている方も演奏している方も、誰もが幸せを感じたり、喜びを感じたり、愛される曲を作って行きたいと思います!

―お忙しい中、お答えいただきありがとうございました。

ちはやふる|樽屋雅徳

樽屋雅徳 プロフィール

1978年千葉県銚子市生まれ。
武蔵野音楽大学音楽学部作曲学科卒業。佐藤博、宮本良樹各氏に師事。大学卒業後は、作曲、編曲の傍ら、吹奏楽の指導もしている。
1998年フランスで吹奏楽曲『Ardent Overture』を出版。代表作に『絵のない絵本』『マゼランの未知なる大陸への挑戦』
『マリアの七つの悲しみ』『ラザロの復活』などがある。他、アンサンブル等小編成の曲も数多く手掛けている。

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