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作曲家 江原大介インタビュー | 『インフィニティ』

今回は作曲家の江原大介(えはら だいすけ)氏のインタビューをお届けします。
2012年にArion Saxophone Quartet、Quatuor B 共同委嘱作品として作曲されたサクソフォン八重奏曲「インフィニティ」を吹奏楽作品として編曲。
全体の長さや構成などに手を加え、今回のために新たに作り変えた内容です。
曲へ込めた想いだけではなく、江原先生の作曲家としてヒストリーも語っていただきましたので、ぜひご覧ください!

目次

あらゆる可能性を追求した『インフィニティ』

―吹奏楽用に編曲するにあたってどういうことを意識されましたか?
あらゆる可能性を追求することと、自分が学んできた多ジャンルの音楽要素を1つの音楽に注ぎ込もうという実験的な内容でもあります。
しかし、複雑な構成の中にもとても分かりやすいメロディーを目指していきました。
-タイトルに込められた想いなどはありますか?
はい。8人の奏者の8という字を回転させ∞とした、2つのカルテットによる無限の可能性、これらの意味に由来し名づけました。
-クラシックの伝統的な書法だけではなく、前衛的な響きや現代音楽の要素が含まれてたりと、心を掴まれる作品でした。この曲に込められた想いを教えてください。
人間の持つ、無限の可能性への敬意が込められています。
江原大介編曲
-この曲を演奏する方たちへのメッセージやアドバイスをお願いします。
難易度が高い曲ですが、これを演奏できたら楽しいだろうな、かっこいいだろうな、あるいは他の人が演奏しているのを聞いて、ぜひ挑戦してみたい!と思えるようなものを目指しました。
「できないことなど、なにもない」、自分の可能性を信じて、演奏していただきたいです。
>>今回ご紹介した『インフィニティ』の楽譜はこちら

「人が演奏する」素晴らしさは人生の充足感に通ずる

-吹奏楽との出会いや、吹奏楽作品を書くきっかけをおしえてください。
大学時代に21世紀の吹奏楽「響宴」というコンサートを聴きに行き、そこで聞いた中橋愛生さんの曲に驚き、吹奏楽という分野に興味を持ち始めました。
自分自身は吹奏楽部出身でもなく、経験はゼロでしたが、2008年に初めて書いた吹奏楽作品「躍動する魂」が2009年度の吹奏楽コンクールの課題曲に選ばれたことがきっかけとして、その後も多くの作品を書かせていただけるようになりました。
-作家としての喜びや、やりがいを感じるときはどんなときですか?
人が演奏する、ということに尽きます。打ち込み(コンピュータ上での音楽制作)も行ないますが、人が演奏するというのは特別なことだと思います。
無限の表現や可能性がありますし、作曲家が生きている間は、直接演奏者と関われたり、会話をしたりと、人として生きている大きな充実感を感じることができます。
とても恵まれた環境にいることに感謝しています。演奏を聞いたときに、演奏だけなく、その人の人生の中に自分の曲が記憶として残るということの意味の大きさ、そして感動を共有できる素晴らしさ、音楽をやってきてよかったなと思える瞬間です。
吹奏楽イメージ
-反対に辛いとき、悔しさを感じるときはどんなときですか?
いくら頑張ってもなかなか曲が書けない時、または時間の管理がうまくいかずに締め切りに追われたりすることが辛いですね。
また、だれもがそうだと思いますが、好みもあるとはわかっていても、一生懸命書いたつもりの曲に対して、不満げな顔や批判をされた時はとても悔しいですね。
-今後、挑戦してみたいことなどがあればおしえてください。
作家としての自身の満足度は現在で30パーセントほどです。まだまだやりたいことがいっぱいあります。色々な分野に興味がありますし、それに向かって尽力しているつもりです。
-最後に、このサイトを見ている方へのメッセージをお願いします。
音楽を楽しんでほしいということに尽きます。そしていつか、「部活が好き」よりも「音楽が好き」に変わってくれることを願っています!
そんなきっかけになるような曲が書ければいいなと思っていますし、逆に100人中1人でも気に入ってくれればいいかなというような曲も書いていきたいので、「普通の刺激に満足しない方」はぜひ、今後も活動を見守っていってくださったらとても嬉しく思います!
ありがとうございました!
-ありがとうございます。江原大介先生の作品、楽しみにしていますね!

インフィニティ
江原大介

インフィニティ

作曲: 江原大介 (Daisuke Ehara)

江原大介(えはら だいすけ)

江原大介 作品一覧

江原大介(えはら だいすけ)

東京音楽大学作曲専攻を卒業後、桐朋学園大学研究科を経て、東京芸術大学大学院修士課程作曲専攻を修了。
2008年第1回全日本吹奏楽連盟作曲コンクール第1位、2016年第27回朝日作曲賞を受賞。これまでに作曲を有馬礼子、池辺晋一郎、権代敦彦、糀場富美子、安良岡章夫の各氏に師事。

活動は吹奏楽、現代音楽、クラシック、ポップス、ゲーム音楽までジャンルを問わず多岐に渡って手掛けている。
吹奏楽の分野では全日本吹奏楽コンクール課題曲「躍動する魂(2009年度)」、「スケルツァンド(2017年度)」をはじめとして、作品の多くは各社より出版・録音されている。
また、各地の吹奏楽コンクール審査員も務める。最近のアレンジの仕事としては「ブラバン・ディズニー(2017)」、「モンスターストライク ウインドオーケストラ(2017)」、「初音ミクシンフォニー(2016,2017)」などがある。
作曲家 江原大介ウェブサイト

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