演奏会やコンサートをやるにあたって、どんな曲を演奏するかは一番の悩みどころだと思います。どんな曲を選ぶかで、演奏会やコンサートの雰囲気がガラッと変わります。自分たちの成長を見てもらう場でもありますが、それよりも何より、お客さんに楽しんでもらいたいですよね。
吹奏楽の楽譜探しの参考に、数多くある吹奏楽譜の中から演奏会やコンサートにオススメする定番の吹奏楽曲をご紹介します。定番曲なので、お客さんも1度は必ず耳にしたことがあり、一緒に盛り上がれるはず!
吹奏楽演奏にオススメの定番曲
1.たなばた
日本では「たなばた」として知られる曲で、正式なタイトルは「The Seventh Night of July」。酒井格という日本人作曲家の初期の作品で、海外でも高い評価を受けています。
コンクールの自由曲で吹かれることも多いので、名前は知らなくともメロディは聞いたことがある、という人も多いでしょう。急-緩-急というメリハリの効いた三部構成のため、とてもドラマチックな印象を受ける曲です。リズム打ちの多い楽しい曲なので、お客さんと一緒に盛り上がるにはオススメです。
[吹奏楽-輸入譜] たなばた 編成:中編成 グレード:4 演奏時間の目安:8分35秒 作曲:酒井格 出版社:デ・ハスケ・パブリッシング |
2.バンドのための民話
コーディル不朽の名曲。「バンドのための民話(Folklore for Band)」は「吹奏楽のための民話」とも訳されます。出だしからクラッシュシンバルが激しくなるこの曲は、吹奏楽経験者なら一度は耳にする定番曲です。
技術的な難易度はさほど高くないものの、初めて聞いた人の心をグッとつかむ力を持っています。スクールバンドに向けて作られた曲ですが、どことなく憂いがあり切なさを感じさせる旋律であるところも、日本人に好まれる理由かもしれません。
[吹奏楽-輸入譜] バンドのための民話 編成:中編成 グレード:3 演奏時間の目安:5分30秒 アーティスト情報:ジム・アンディ・コーディル 出版社:ハル・レナード |
3.「レ・ミゼラブル」セレクション
2012年に映画化されたので、そのミュージカル曲に耳馴染みのある人も多いと思います。ミュージカルは以前から日本でも人気でしたが、映画化されたことによって吹奏楽で演奏される機会がぐんと増えました。中でも、2009年4月11日イギリスの素人オーディション番組で一躍有名となったスーザンボイルが、天使の歌声で歌ったことにより「夢やぶれて(I Dreamed a Dream)」が注目度を集めました。
レ・ミゼラブルはフランス革命前後を舞台とした人々の悲哀を描いた作品なので、その曲はどれも感情を強く揺さぶるものになっています。「レ・ミゼラブル」の中でも特に有名な曲を集めたメドレーになっていて、観客を飽きさせることなく終わりまで導きます。聴き手も吹き手も一緒に楽しむことのできるメドレーです。
[吹奏楽-輸入譜] 「レ・ミゼラブル」セレクション 編成:中編成 グレード:4 演奏時間の目安:10分00秒 作曲:クロード・ミシェル・シェーンベルグ 編曲:ウォレン・バーカー 出版社:ハル・レナード |
4.スタジオジブリ・アニメ・メドレー
宮崎駿監督映画の代表曲のメドレーです。メドレーに入りきらなかった曲のモチーフも取り入れるなど、どこを切り取っても宮崎アニメを楽しめるアレンジになっています。
となりのトトロ、崖の上のポニョと、子供も大好きな曲でぎゅっと詰まっているので、どの世代の方にも楽しく聞いていただけます。吹奏楽らしいマーチやクラシック曲とのメリハリとして、お客さんと一緒に盛り上がれる曲は一曲入れておきたいですね。
[吹奏楽-販売譜] スタジオジブリ・アニメ・メドレー 編成:中編成 グレード:3 演奏時間の目安:9分9秒 作曲:久石譲 、木村弓 編曲:挾間美帆 出版社:フォスターミュージック |
5.双頭の鷲の旗の下に
「双頭の鷲の下に」と呼ばれることもあります。小学校や中学校の運動会で、入退時の行進曲(マーチ)定番曲としてよく知られている曲です。この曲を聞くと、自然に手を大きく振って元気よく歩きたくなる人も多いのではないでしょうか?
作曲者のワーグナーは、「オーストラリアのマーチ王」として有名です。この曲はワーグナーがハプスブルク王朝のオーストラリア・ハンガリー帝国の軍楽隊だった時期に作曲されました。曲名の「双頭の鷲」は、ハプスブルク家の紋章(シンボル)です。
運動会の定番曲としては、他にトリッチ・トラッチ・ポルカ、天国と地獄、クシコスポストなどがあります。元気を出したいときにピッタリな定番の吹奏楽曲です。
[吹奏楽-輸入譜] 双頭の鷲の旗の下に グレード:3+ 演奏時間の目安:3分45秒 作曲:ジョセフ・ワーグナー 編曲:アンドリュー・グローヴァー 出版社:シー・エル・バーンハウス |
おわりに
以上、演奏会やコンサートにオススメの吹奏楽の定番曲を5つご紹介しました。曲選びに大切なのは、なんといっても全体の構成です。どの曲でお客さんの心をつかみ、最後まで楽しんでもらうのか。そのためには、メリハリのある選曲が必要になってきます。
今回選んだ曲はどれも、吹奏楽ファンでない人でも思わず引き込まれてしまうような、吹奏楽の定番曲です。悩みの多い吹奏楽楽譜の選曲の手助けになれば幸いです。
吹奏楽を柱とした音楽出版社として2008年に設立いたしました。 「フォスター」という単語には、育てる・育成するといった意味があり、日本の吹奏楽をもっと元気に楽しく発展させていきたいという思いをこめています。みなさまのブラバンコンシェルジュとして、様々な情報を発信していきます。