吹奏楽や室内楽作品を中心に作曲し、日本のみならず、アジア、欧米諸国からも注目を集める気鋭の作曲家朴守賢氏。2015年度全日本吹奏楽コンクール課題曲V『暁闇の宴』で一躍その名を全国に轟かせました。
映画やTVドラマ、CM等の劇伴音楽等も手がけるほか、指揮、クラリネット・リコーダー・巴烏(Bawu, 雲南の横笛)等の演奏や、幼児音楽研究、芸術国際交流等の分野でも活動の幅を拡げています。
フォスターミュージックからの出版作品はまだ数作ですが、今後の新作にもぜひご注目ください。
吹奏楽作品
組曲「開かれた世界」
2019年12月に作曲された、大阪朝鮮高級学校吹奏楽部の委嘱作品。世宗大王が創製したハングルの原型「訓民正音」をモチーフに音楽化した意欲作です。
作品タイトルの「開かれた世界」には、訓民正音によって文字に触れにくかった民衆にも“読み書き”の道がひらかれ、暮らしや文化が鮮やかに広がっていく——その情景が重ねられています。各曲の副題は、陰陽五行説の元素・季節・方角**を表し、全体を貫く世界観を形づくります。
- 天・地・人:全曲の核となる冒頭3音が、「天・地・人」を壮大に描き出します。
- 木・春・東:明るく推進力のある、快速の2拍子。
- 火・夏・南:伝統的なリズム体系「チャンダン」を伴う、ゆったりとした8/6拍子。
- 土・季夏・中:不安定で混沌とした間奏曲。“開かれる前”の世界。
- 水・冬・北:民衆が歌うような、母音の歌を思わせる響き。
- 金・秋・西:快活な3拍子で、晴れやかに駆け抜けます。
「コロナ禍直前に書かれたこの曲が、それを克服した“開かれた世界”に、たくさん響き渡ることを願います。」(朴守賢)

- 作編曲: 朴守賢
- 演奏形態: 吹奏楽極小編成(14 – 19パート)
- グレード: 4
- 演奏時間: 7分10秒
- 出版: フォスターミュージック(FML-0323)
- 発売日: 2023/02/22
名もなき英雄たち
大阪朝鮮高級学校吹奏楽部の委嘱により、2019年1月に作曲、同校定期演奏会にて初演。
自分たちの文化圏や地域・コミュニティを創り、牽引し、発展させてきた有史に残る、或いは残っていない幾多の先人たちへの敬意とその物語をベースにして作曲されました。
多様性が叫ばれる昨今、さまざまなコミュニティすべてに通ずる物語になり得ると考え、音楽に自分たちの物語が投影できるような普遍的でかっこいい音楽を目指しました。
曲は、重要な幾つかのモティーフを内包したゆったりした序奏部に始まり、8分の12拍子の勇ましい音楽の主部、優美な中間部を経て、後半はダイナミックに音楽が展開され勇壮に幕を閉じます。
遥か天鵞絨(ビロード)
東海大学吹奏楽研究会、静岡県立浜松商業高等学校吹奏楽部、宮城県古川高等学校吹奏楽部、山形県立米沢興譲館高等学校吹奏楽部、東海大学菅生高等学校吹奏楽部、石川県立金沢桜丘高等学校吹奏楽部、福岡県立小倉高等学校吹奏楽部、フォスターミュージック株式会社の共同委嘱により2015年作曲された作品です。
何か大きな真理だとか真実、現実に直面した時、人は大きな衝撃と共に驚愕や畏怖の念に慄きます。私にとってそれは、大抵の場合ある種の美しさを伴います。それは恰(あたか)も、深紅のビロードのカーテンがこの世界を包み込みながら揺らめく中、その奥でビロードと一体になりながら人生を弄ぶかのように舞う美女のようです。この作品は、例えばそのような美を想起して描きました。
この作品について、上記のように作者が語っています。あなたにとっての“真の美しさ”をイメージしながら取り組んでみてください。

- 作編曲: 朴守賢
- 演奏形態: 吹奏楽大編成(36 – 38パート)
- グレード: 4+
- 演奏時間: 8分17秒
- 出版: フォスターミュージック(FML-0156)
- 発売日: 2016/02/18
アンサンブル
タランテラ(クラリネット11重奏)
「クラリネットオンズ」の委嘱により、2019年6月に作曲、同年7月に初演。
11人のクラリネットという難しい編成から考えぬかれた結果、「ダブルクインテット(エスクラリネット、クラリネット1・2、バセットホルン、バスクラリネット)+コントラバスクラリネット(以下CB)」という編成に辿り着いたといいます。
CBを中央奥に配置、そこから扇状に対称に広がるようクインテットを低音から高音の順で配置する構図とり、客席向かって左側のクインテット〈X〉は民謡音階のペンタトニック主体、右側の〈Y〉は半音や増音程中心という、異なる音楽的性格が与えられ、CBはそれらの橋渡しや統括を担うというスタイルになっています。
「タランテラ」とは、イタリア発祥の6/8拍子のテンポの速い舞曲で、冒頭は東洋的で遅く不安定な流れで始まります。そこから、CB、〈X〉、〈Y〉の三者が出会い交流しながら互いの音楽をぶつけ、次第にタランテラ的な断片が結合しくにつれてテンポも上がり、ついには現代的で狂乱的なタランテラとして融合の姿を見せます。
音楽大学生や腕に覚えのある大人のクラリネット愛好家のみなさんの挑戦をお待ちしています。
悠遠の雪(サクソフォン4重奏/クラリネット4重奏)
さまざまな表情を見せる雪、しかし人の体温に触れた瞬間に儚くも消え入ってしまう・・・「運命の振る舞いにも似た、究極的に矛盾に満ちた美」と語るように、雪に対する朴氏の文学的なイメージがこの曲に描かれています。
この作品は、Vive! Saxophone Quartetの委嘱により、2017年5月に作曲、同年6月「Vive! Saxophone Quartet リサイタル Vol.15」(東京文化会館)にて初演。その後クラリネット四重奏版に編み直し2018年12月に作成、2018年2月にリベルテ・クラリネット・カルテットにより初演されました。
サクソフォン4重奏版
- 作編曲: 朴守賢
- 演奏形態: サクソフォン4重奏(S.sax./A.sax./T.sax./B.sax. )
- グレード: 4+
- 演奏時間: 8分0秒
- 出版: フォスターミュージック(FME-0438)
- 発売日: 2019/08/28
クラリネット4重奏版
- 作編曲: 朴守賢
- 演奏形態: クラリネット4重奏(Bb Cl. 1/Bb Cl. 2/Bb Cl. 3/Bs.Cl. )
- グレード: 4+
- 演奏時間: 8分0秒
- 出版: フォスターミュージック(FME-0439)
- 発売日: 2019/08/28
朴守賢 YouTubeプレイリスト

吹奏楽を柱とした音楽出版社として2008年に設立いたしました。 「フォスター」という単語には、育てる・育成するといった意味があり、日本の吹奏楽をもっと元気に楽しく発展させていきたいという思いをこめています。みなさまのブラバンコンシェルジュとして、様々な情報を発信していきます。

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